マラウイ政府、英国大使、ザンビア大統領の入国制限を撤廃の声明

 マラウイ政府は昨日の金曜日(10/14)に国営放送を通じて、英国高等弁務官(英国大使)とザンビア大統領の入国は自由であるという発表をしたようです。

 英国高等弁務官(英国大使)のコクレーン・ディエット氏は今年4月に「マラウイ大統領はますます独裁的で、批判に対して不寛容である。」といった公電の内容がリークされ、これに激怒したマラウイ政府から国外追放処分となっていました。これに対して、英国は、在英国マラウイ高等弁務官を追放する報復外交を行い、今年7月には正式に支援の凍結を発表しています。先週、ムタリカ大統領は、BBCワールドのインタビューに応えて、この件については謝罪をしない旨を表明していました。その後、ピーター・ムタリカ外相を英国に派遣させていました。話し合いは不調に終わったと思ったのですが、正常化に向けての進展があったようです。ただ、英国は、統治や人権問題、経済対策などを憂慮しており、こうした懸念が払拭されない限り、支援凍結は解除しないとしています。

 9月に野党党首から就任したザンビア大統領のマイケル・サタ氏は、2007/03/15にマラウイの前大統領のバキリ・ムジル氏と会見しようとブランタイヤの空港に到着した際に、不適切な人物として強制退去処分となったようです。サタ大統領は、この件について謝罪を求めていました。今回の東南部アフリカ市場共同体(COMESA)のサミット(10/14-15)では、マラウイ政府側からは、入国は歓迎するとしながらも謝罪がないため、サタ大統領はサミットに出席しておらず、副大統領がマラウイに来訪しています。昨日の発表の中でも謝罪はなかったようなので、この問題は解決したとはいえないようです。

英国Eight19社、マラウイなどの途上国でプリペイド式太陽エネルギーの提供へ

 日本のメディアなどが報じていたので気づいたのですが、英国のケンブリッジ大学などが出資して設立されたEight19社が途上国向けにプリペイド式の太陽光発電エネルギーを提供するサービスを2012年の早い時期にザンビア、マラウイ、インド亜大陸などで開始するというのを9/26にプレスリリースしています。現在、ケニアで稼働試験中とのことです。これは、パーソナル太陽光発電装置を通じての太陽光による電気をスクラッチ式のプリペイドカードでお金を払って利用出来るというサービスとのことです。これにより、携帯電話の充電や照明など電力消費量の少ない電気機器が利用出来るようになるようです。太陽光発電装置を買うなどの初期投資が不要なので、途上国の人でも利用できるというわけです。

非常にユニークなサービスだと思います。マラウイは農村部の電化率は約1%と言われているので、恩恵がありそうです。クリーンエネルギーなので安心です。消費電力の少ないLEDランプを使うことで、少ない消費電力で灯りが獲得できますね。

マラウイ、東南部アフリカ市場共同体の議長国に就任

 10月4日からリロングウェで開催されている東南部アフリカ市場共同体(COMESA)の会合の事務レベル協議が始まり、今日(10/14)から2日間の日程で第15回のCOMESAサミットが首相官邸で実施されています。この席上で、マラウイのムタリカ大統領が議長に就任しています。前議長国はスワジランドでした。

 あまり情報がないのでよくわからないのですが、今回のCOMESAのサミットでは、関税同盟の実施に向けてのレビューが実施されているようです。現在、COMESAの加盟国(19カ国)は、関税同盟実施に向けての移行期にあり、来年2012年6月に移行期間が終わる予定です。このため、進捗状況を見て今後どうしていくかを検討していくようです。

ジョイス・バンダ女史、アフリカで3番目にパワフルな女性にランクイン

 2011/10/01付で発売されている「フォーブス・アフリカ」の特集で、副大統領のジョイス・バンダ女史がアフリカでのパワフルな女性のランキングで、3番目にランキングされたようです。トップは西アフリカのリベリアの大統領です。彼女は、選挙で選ばれた初の大統領とのことで、先日ノーベル平和賞を受賞したばかりです。2位はナイジェリアの財務大臣のオカンジョ=イウェアラ女史となっています。オカンジョ=イウェアラ女史は財務大臣になる前は世界銀行の専務理事を努めていたようです。その次にジョイス・バンダ女史がランクしてます。

ケニアで再び誘拐事件が発生

 13日にケニア北東部のダダーブ難民キャンプで支援活動を行なっていた「国境なき医師団」のスペイン人女性スタッフ2名がソマリアのイスラム過激派組織アルシャバブに誘拐されるという事件が発生しています。ケニアでは、今月始めに観光地のラム島でフランス人女性が誘拐される事件が発生し、先月にも英国人夫婦の男性を殺害し、妻を誘拐する事件が発生しており、この1ヶ月で3件も立て続けに誘拐事件が発生していることになります。いずれの事件も解決に至っていません。

 日本の外務省も再び渡航情報(スポット情報)として注意喚起を10/14付で行なっています。

 ダダーブ難民キャンプはソマリア難民45万人が生活する世界最大の難民キャンプとのことです。

 ケニアはマラウイから近い国ですので、在留邦人なども観光などでよくいくところです。特に観光地のラム島は、内陸国で生活している人にとっては、海岸のリゾート地ということで人気の場所の一つだったようです。

恒常的な燃料不足が続く

 燃料不足が再浮上とか再燃とか書きづらいぐらい、恒常的に燃料不足が続いているようです。先週、政府は輸送上の遅延を理由にし、先週後半には正常化するということでしたが、今週に入っても正常化しておらず、ブラックマーケットでは、ガソリン1リットルが600-700MK(300-350円)で取引されているようです。ガソリンの公定価格は、290MK(145円)です。火曜日には、ムズズでザンビアやタンザニアからのガソリンを売っていた販売者が4人逮捕されています。

 ただ、ガソリンスタンドでの長蛇の車の列をみて燃料不足を実感するのですが、市内のミニバスなどは平常通りに運行しており、朝晩の市内の車の渋滞は相変わらずです。このあたりは、非常に奇妙な感じです。マラウイの人の生活を見ているとガソリン、電気、水道など、どれも節約という感覚がないように思うことが多いです。あれば、ある間は気にせず浪費し、なくなったらその時に考えると言った行き当たりばったりな感じがします。

大統領、副大統領の辞任を求めて裁判所に提訴

 マラウイの副大統領ジョイス・バンダ女史は、昨年の12月に与党民主進歩党から除名され、今年7月に人民党を結成し、大統領と対立する野党の一角となっていますが、副大統領のポストはそのままになっています。ただ、実質副大統領の役職は遂行出来ない立場となっていることから、大統領は、憲法84条の解釈を求めて裁判所に提訴したようです。憲法では、副大統領が死亡するか、12ヶ月以上副大統領としての職務が遂行出来ない状況である場合に大統領は残りの任期に新しい副大統領を任命することができる、とされているようで、大統領は副大統領はそういった状況にある、という見解に従って裁判所に判断を求めているようです。

 大統領と副大統領の対立は根強く、昨年、大統領が、副大統領が行なっていた母子安全の顧問を大統領夫人に移譲し、副大統領としての実質的な権限は全て無くしてしまっています。今年の9月の新閣僚名簿には当然ながら副大統領の名前はなく、大統領夫人が実質的な副大統領の立場にあると見られています。しかしながら、ジョイス・バンダ女史は、副大統領のポジションにいることを強調し、対立が深まっている状況でした。

Airtelのインターネットが不調

 Airtelのインターネット回線が金曜日から国際回線のトラブルのための断続的にインターネットサービスがダウンする状況が続いていることをAirtelが新聞紙面でアナウンスしています。まだ問題は解決されておらず、対応中とのことです。

Airtel、TNMのインターネット回線は3Gの回線で、調子が良いとMTL回線(64-128Kbps程度)に比べて2-3倍早い(128-384Kbps程度)ので、昨日、使おうと思ったのですが、実はうまく接続できず、今日も急ぎでダウンロードするものがあったので、Airtel回線を使おうとしたのですが、非常に遅くて、どうしたのかと思っていたところでした。困ったものですが、まだアナウンスがあるだけましなのかも知れません。

モ・イブラヒムアフリカ統治指数、マラウイは17位

 アフリカ諸国のガバナンス(統治)を指数化しているモ・イブラヒム財団が2011年版のモ・イブラヒムアフリカ統治指数を発表しています。マラウイの現地新聞のネーション紙にも1面を使ってモ・イブラヒム財団が10/10付の紙面でマラウイの結果(スコア)を公表しています。

 それによるとマラウイは、スコアは56.5点でアフリカ53カ国中17位となっています。1位はモーリシャスで82.5点、2位がケープベルデで79点、3位がボツワナで76.1点となり、最下位はソマリア7.9点、52位がチャドで30.6点、51位がジンバブエで30.9点です。

 マラウイ周辺国で見ると、タンザニアが13位で58.1点、ザンビアが16位で57.0点、モザンビークが21位で54.6点となっています。

 マラウイのスコアの内訳をみると、国の安全が95点と6位で非常に高く、法整備が10位で、国の安全と法整備の分野が全体で11位と高くなっています。一方、持続的経済発展の機会の分野では総合27位、人間開発の分野では総合で26位となっています。特に教育は43位とかなり低い結果となっています。

 今回の結果を見ると、治安や法制度は比較的整備されている一方、教育、生活、健康といった分野は未だ課題が多いといった普段感じていることが、そのままスコア化されている感じです。

 モ・イブラヒム財団のモ・イブラヒム氏は、スーダン出身の英国人だそうで、1998年にアフリカで携帯電話会社セルテル・インターナショナルを創業し、2005年に34億ドルで売却、その富で現在の財団を設立し、アフリカのガバナンス水準を引き上げようとしています。セルテルは、マラウイの現在のAirtelの前身のZain、そのさらに前身になります。

ザンビア外相、マラウイとの親密な関係を強調

 先日、ザンビアの野党党首からザンビアに大統領に就任しましたが、野党リーダであった2007年3月にサタ氏がマラウイに訪問した際に国外退去処分とされた問題で、ザンビア大統領となったサタ氏は謝罪を要求し、14-15日にリロングウェで開催されるCOMESA(東南部アフリカ市場共同体)のサミットに出席しないとしています。この問題に関連して、ザンビア外相がザンビアのメディアに応えています。それによると、謝罪の問題とザンビアとマラウイの関係は別であり、ザンビアとマラウイの関係は良好であることを強調しています。ザンビア外相はマラウイとの関係が良好でなければ、ザンビアの代表団をCOMESAの会合に送らないとし、謝罪問題は、野党リーダーだからといって不当な扱いをすることは好ましくないという、その教訓として謝罪を要求しているといったことを述べたようです。