アフリカネーションズカップ、マラウイ予選敗退

 サッカーのアフリカネーションズカップ2012の本戦出場をかけて、本日、マラウイの予選Kグループの最終戦が行われました。マラウイはチャドと戦い、2-2の引き分けに終わり、一方、マラウイとともに本戦出場を賭けて最後の1枠を競っていたチェニジアはトーゴと戦い2-0の勝利となりました。この結果、チェニジアの本戦出場が決まり、マラウイは最終戦まで善戦しましたが、予選敗退が確定し、昨年の7月からの予選の戦いに幕が下りました。グループKはボツワナとチェニジアが勝ち抜けました。

 マラウイはチェニジアとは昨年の9/4のゲームが2-2で引き分け、そして、今年の9/3にマラウイのブランタイヤで行われた試合でも0-0の引き分けでまさに互角の戦いをしていただけに非常に惜しかったですね。

38万3000人以上に抗エイズ薬を無料で提供

 政府保健省は、7年前から開始されている抗エイズ薬(抗レトロウイルス薬 ? ARVs)を38万3000人以上に無料で提供すると発表しています。

マラウイでは、人口1300万人(マラウイ政府の数字)に対して約14%がエイズウイルスに感染していると言われており、またUNAIDSによると年間9万人の新しいHIV患者が発生しているとされています。こうした状況の中、2004年からウイルスの増殖を抑える抗レトロウイルス薬を無料で配布しているようです。2004年当時5000人に配布することから始まったプロジェクトですが、2009年には25万人、そして、今年は昨年より7万4千人増えて38万3000人に配布するということのようです。

ポリテクニック学生の変死、ドナーは憂慮、大統領、捜査を指示

 先月の9月24日に、マラウイの南部の商業都市ブランタイヤのポリテクニック校の機械科の4年生の学生(25)がキャンパス内で死亡した事件について、欧州連合は木曜日に政治的な関連性のある事件として憂慮する声明を発表しています。また、大統領はBBCの番組インタビューに応えて、1-2日間以内にポリテクニック校の学生の変死についての原因究明のための調査を行うとしています。

 この学生は、反政府活動をしていたとして、警察から指名手配を受けていました。警察は遺書が見つかったとして自殺としていました。遺族や関係者は、自殺は考えられないとしていました。マラウイでは、7月20日の全国規模の反政府デモの前後から、政治的な関連性が見られると思われる事件が多発しています。7月20日のデモ直前には、民間ラジオ局のZODIAKの車両が2台破壊されています。7月のデモ後には野党がオーナーのAXAバスへの火炎瓶による放火、そして、9月に予定されていたデモ前には、反政府指導者の家、事務所に火炎瓶が投げ込まれる事件が2件発生しています。その他にもオープンマーケットの不審火災などがあります。

マラウイ電力公社、供給電力20%削減へ

 昨日の長時間停電は、トラブルでなく、供給電力20%削減に伴う計画停電だったようです。

 マラウイ電力公社(ESCOM)の社長は、昨日ブランタイヤで開催されたアフリカ水力発電シンポジウム開会式の席上でのメディアのインタビューで、Nkula発電所の保守作業に伴い、供給電力を20%削減したと述べています。

 マラウイ電力公社は、6月のプレスリリースで、7月より年内一杯に発電所の保守作業に伴い、供給電力が約10%削減されるとし、停電が多くなるとアナウンスしていました。実際に停電の頻度は多くなっています。Tedzani 1, 2発電所の保守が完了し、今回、Nkula発電所の保守に伴い、さらに供給電力量が落ちて20%の削減となるということです。

 マラウイ国内では、300メガワット以上の電力需要に対して、287メガワットの電力供給能力しかなく、今回、20%削減ということで、230メガワット程度しか供給されないことになり、年内いっぱい長時間停電が発生しそうです。300メガワットというのはピンとこない数字だと思いますが、キロワットに換算すると、30万キロワットになります。東京電力の供給電力が約4,000万キロワットですから、いかに少ないかが分かると思います。東日本大震災の電力不足を補うため、タイから東京電力に貸与された火力発電所2基が1基12万2000キロワットとのことなので、ちょうど貸与された2基だけで、マラウイ国内に電力供給している感じになります。マラウイの電気の普及率は農村部で1%以下、都市部で20%ぐらいのようです。産業を育成しようとしても電力不足というか電気がなくてスタート台にも立てていない感じに見えます。一方、昨日も書きましたが、国民の多くは調理などに薪を使うため、森林破壊が急速に進み、深刻な問題となっています。

英国拠点のSurestream石油社、マラウイ湖の独占探鉱権を獲得

 アフリカの探鉱を行なっている英国に拠点を置くSurestream石油社は、マラウイ湖の天然ガスと石油の独占的な探鉱権を獲得したようです。今日のネーション紙には、マラウイの天然資源・エネルギー・環境省が同社に対してマラウイ湖北部での天然ガスと石油についての独占的探鉱権を与えたことをプレスリリースしており、環境アセスメントを政府と同社で共同でまもなく実施することを伝えています。

ケニア:ラム県リゾート地における外国人誘拐事件発生に伴う注意喚起

 1日未明にフランス人女性がソマリア国境から約100キロのところのケニアのラム県リゾート地マンダ島でソマリア人武装グループに拉致されるという事件が発生しています。ラム近郊では、9月にも武装グループが英国人夫婦を襲撃し、抵抗した夫を殺害、妻は拉致されている模様です。

 こうしたことから日本の外務省は、 10/4付で注意喚起を発してます。

日本人には馴染みがあまりない場所ですが、バックパッカーやアフリカ在留邦人がリゾート地として訪れることのある場所のようです。近くにあるラム島は、奴隷貿易の中心地であり、旧市街は世界遺産に指定されています。

焼け跡をさまようアフリカゾウ

? 9/29付で「焼け跡をさまようアフリカゾウ」という記事が朝日新聞に掲載されています。アフリカの森林火災の実態調査で、マラウイに福山市立大学の先生が調査に訪れたとのことです。どこに調査にいったのかな、と思ったのですが中部のカスング国立公園を調査訪問した時の様子が書かれています。

 記事にも書かれていますが、カスング国立公園は、1970年までは約2,000頭の象が生息していたそうですが、現在は150頭ほどしかないそうです。昨年、私がカスング国立公園を訪れたときは、ゾウを見ることが出来ませんでした。カスング国立公園は、密猟がひどいようで、動物が人間をかなり警戒している様子でした。また、記事でも少し触れていますが、マラウイでは調理をするのに国民の9割以上が薪をつかって火で調理しています。一方、人口は2000年には約1,000万人でしたが、現在は、1,500万人と1.5倍となっています。こうしたことから森林減少が著しく、家族計画と森林保護の両面から対策を講じていかないと非常に近い将来に深刻な問題が発生することになりそうです。

燃焼不足が再燃

 今日のネーション紙では、燃料不足問題が再燃したことを報じています。この3週間、中部、北部が南部に比べてガソリン、ディーゼルとも不足気味で、南部はディーゼルが不足気味であったと報じています。天然資源エネルギー環境省の大臣は、モザンビークのベイラ港での燃料の積み込みが遅延しているのが原因であると述べており、今週の水曜日、遅くとも木曜日には正常化する見込みであるとの見解を示しています。

 再燃とは書きましたが、昨年の後半から燃料不足は恒常化しています。6月には、信用状の有効期限切れにより、このときも、政府が介入し、すぐに正常化するとのことでしたが、実際には、なかなか正常化しませんでした。政府はこの問題の解決のために90日間の燃料備蓄を目指しています。現状は、1-2日間程度の備蓄しか出来ないため、少しでも燃料輸送が遅れると燃料パニックが起きてしまう状況です。とはいうものの、リロングウェ市内を見ると、ガソリンスタンドには長蛇の列が出来る一方で、朝晩は渋滞していて不思議です。ちょうど、電力事情と似ている気がします。電力も需要に供給が追い付いておらず、計画停電を余儀なくされていますが、電気があれば、節電とか全く気にせず浪費しています。

ドナーが、盗難、汚職による薬不足を非難

 セクターワイドアプローチプログラムのジョイント年間会合の開会式の席上でドナー保健グループの代表は、国内医薬品流通上での盗難、汚職、非効率がマラウイの保健部門の薬不足を引き起こしているとしてしています。中央薬剤庫を見直し、適切な財政管理が必要であると述べています。

 政府側は、薬不足は、外貨不足が原因であると述べていたと思います。外貨不足ももちろん、主因の一つであると思うのですが、この問題はさらに悪化させている要因に汚職などがあることは間違いないようです。架空公務員の問題のときもそうでしたが、お金や物流の透明性を高めることが急務です。

初代大統領の息子と主張するジュマニ氏国外追放

 今週の水曜日(9/28)に、初代大統領のカムズバンダ氏と血のつながりのある息子と主張し、話題となったジム・ジュマニ・ヨハンソン氏(38)が、出入国管理局によって国外追放措置がとられ、彼は養子縁組の国とされるスウェーデンに向かったようです。彼は先日、リロングウェのエリア47にある大統領の住宅の前で大統領を侮辱する発言をしたとして逮捕され、その後、釈放されていました。新聞の報道によると、彼は、スウェーデン人の男性と、元ミスマラウイであるエアマラウイのスチュワーデスとの間に生まれたとされています。ただし、出生証明書には、父親の名前が記録されていなかったとのことです。

ジュマニ氏の件、正直よくわからないですね。