英製薬大手、マラリア発症を半分に。ワクチン治験結果

 「RTS,S」と呼ばれるマラリアのワクチンを開発している英国の製薬大手グラクソ・スミスクライン社と非営利団体PATHマラリアワクチン・イニシアチブは、発症を約半数に抑えることが出来たという臨床試験の中間報告を18日に発表しています。2015年の実用化を目指しているとのことです。もし、有効となれば、WHO(世界保健機構)の推奨を受けて実用化されるとのことです。

もし実用化されると本当にすごいことです。

マラウイ通信規制局、通信監視を強化へ

 新聞の真ん中の紙面1/4のプレスリリースだったので見逃しそうだったのですが、マラウイ通信規制局(MACRA)が通信監視を強化するためのモニタリング・分析が導入されることを、通信会社4社(MTL, TNM, Airetel, ACL(Access))が共同声明の形で掲載しています。

 声明によると、MACRAは全ての通信記録をモニタ・分析するシステムを導入することを決定したとのことです。その最初のステップとして、MACRAは通信詳細記録の提示を要求しています。具体的には、着信記録、通信時間、発信元、発信先、SMSの送受信、電話機の種類など電話加入者の詳細情報となっています。

 4社は、この声明の目的は、今までは通信記録は要約していたものをMACRAに提供していたのに対して、今後システムが導入された場合、SMSやインターネットアクセスなども含めて、電話会社は顧客の通信のプライバシーや機密性を保護する立場となれないことを伝えるものだとしています。

今年初めのメディア禁止法も含めて、欧米諸国からの圧力が厳しくなりそうな内容です。7月20日の反政府デモの際に、政府が民間ラジオ局のデモ中継を禁止し、ジャーナリストを拘束したりしたことを欧米諸国や国際機関は強く非難していました。

米議員、オバマ大統領にマラウイのMCCからの除外を要求

 先週の木曜日から土曜日にかけて、スーダンのバシール大統領が、東南部アフリカ市場共同体(COMESA)のサミット(10/14-15)に出席するため、マラウイのリロングウェを訪問しましたが、これに対して、国際刑事裁判所(ICC)は、ダルフールでの大量虐殺などで起訴されているバシール大統領を拘束するように要請しました。しかしながら、マラウイ政府はこれに応じることなく、スーダン大統領はマラウイを後にしています。これに対して、米国のバージニア州の共和党議員のフランク・ウルフ氏はオバマ米大統領に対して、バシール大統領の訪問を容認している国に対して、米国の税金を投入することは出来ないとして、米国ミレニアム挑戦公社のプログラムからマラウイを除外するように文書で要請しています。議員の文書内容は、議員のウェブサイトで公開されています。

米国は、米国ミレニアム挑戦公社(MCC)を通じて、マラウイの電力セクターの改善のために、5年間で3億5千万ドル(約280億円)を拠出することを今年1月に承認し、4月にマラウイと調印しています。しかしながら、7月20日の反政府デモを受けて、支援の保留を決めています。共和党議員の要求はさらに進めて、MCCからマラウイを除外することを要求しているものです。

今回のCOMESAサミットでは、スーダン大統領の件以外でも、ザンビア大統領が2007年に野党党首のときにマラウイのブランタイヤで強制退去処分となったことへの謝罪を求めて出席を拒否するなど、外交上の問題を露呈する結果になってしまった気がします。

口蹄疫、感染拡大へ

 マラウイの南部のチクワワ県で、牛などの家畜が感染する伝染病の口蹄疫の感染拡大が加速しているようです。シレ川中流の少なくとも70,000頭が危険な状態にあり、シレ川下流域に拡大しているとのことです。マラウイでは、感染拡大を食い止めるためのワクチンが枯渇しているため有効な対策を講じることが出来ていないようです。

口蹄疫の感染が拡大するとマラウイからの輸出が制限される可能性があり、経済への影響が懸念されています。

ミトゥンドゥの警察との衝突、警察は2人の射殺を否定、逮捕者は60人に

 ミトゥンドゥで、強盗により日曜日の夜に男性が殺されたことに対して、警察の治安体制に腹を立てた住民が警察と衝突、月曜日に警察署や警察職員の住宅に火を放ち、49人が逮捕されたことが報じられていましたが、その後逮捕者は火曜日の正午時点で60人となったとのことです。警察との衝突で、警察に撃たれて2人が死亡したと報じられていますが、警察はゴム弾を使っていたとしてこれを否定しています。この暴動で警察署と警察職員の住宅7棟が全焼しています。

今回の暴動は、日曜日の強盗事件以前からミトゥンドゥでは強盗事件が相次いでおり、警察が強盗団に加担しているのでは、との疑惑を住民側がもったためのようです。

カタベイで洪水で100人以上が被害

 北部のムズズの一部とマラウイ湖沿いのカタベイで10/8-12の5日間に連続的に激しい雨が降り、ヒョウも降ったようで、一部の地域が洪水となり100人以上が被害に遭ったようです。

 今年は、例年に比べて1ヶ月以上早く雨季入りしたかも知れません。リロングウェでも先々週の10/4に初めて雨が降り、一時天候が良くなったのですが、先週も水、木、土と、午後になり雲が出てきて雨が少し降っており、雨季の始まりのような感じです。例年だと雨季入りは11月後半から12月初めとなるようです。気温は昨日あたりから暑くなり、30℃を超えました。

リロングウェ郊外のミトゥンドゥで暴動、2名死亡?

 今日は、母の日(10/15)の振替休日のお休みでメディアの動きも少ないので情報が少ないのですが、リロングウェの郊外のミトゥンドゥで早朝に暴動があり、49名が逮捕され、2名が死亡した模様です。暴動の発端は10/16の夜に武装した強盗団が実業家の家に入り、実業家が現金を渡すことを拒否して殺されたことのようです。ミトゥンドゥでは、この事件の前にも強盗で相次いでいたようで、警察が十分に機能していないことに住民が腹を立てて、警察に抗議、暴徒化したようです。暴徒化した住民は、警察署と警察の住宅に放火し全焼した模様です。

明日になると、もう少し詳しい状況がわかるのではないかと思います。ミトゥンドゥはムタリカ大統領夫人のカリスタ・ムタリカ女史の出身地とのことです。

スーダンのバシール大統領、逮捕されることなくマラウイから出国

 スーダンのバシール大統領は国際刑事裁判所に戦争責任と2004年のスーダン西部ダルフールでの大量虐殺で起訴されています。昨日と一昨日(10/14-15)にマラウイのリロングウェで開催されていた東南部アフリカ市場共同体(COMESA)のサミットに出席のため、スーダン大統領はマラウイを訪問していましたが、国際刑事裁判所は、スーダン大統領の拘束を求めていました。しかしながら、マラウイ政府は大統領を拘束することなく迎え入れ、そして、昨日、予定通りに、土曜日の最終声明をまたずに早く出国したようです。

海外メディアはCOMESAの会合より、スーダンの大統領の対応について、注視していたようです。想定通りだったようです。

東南部アフリカ市場共同体(COMESA)サミットが閉幕

 10/14-15の2日間、首都リロングウェの大統領官邸で開催されていたCOMESAサミットは無事に閉幕したようです。今回のサミットのテーマは、「発展のための科学技術の利用」だったみたいです。関税同盟については、3年間の移行期間が来年6月に終わるようですが、すみやかに問題対応ができるように閣僚レベルの特別委員会を設置することで合意したようです。

 声明の中では、先日のケニアでの誘拐事件も含めたソマリアのテロ攻撃、海賊攻撃について深刻な懸念事項として言及しています。