マラウイ電力公社、供給電力20%削減へ

 昨日の長時間停電は、トラブルでなく、供給電力20%削減に伴う計画停電だったようです。

 マラウイ電力公社(ESCOM)の社長は、昨日ブランタイヤで開催されたアフリカ水力発電シンポジウム開会式の席上でのメディアのインタビューで、Nkula発電所の保守作業に伴い、供給電力を20%削減したと述べています。

 マラウイ電力公社は、6月のプレスリリースで、7月より年内一杯に発電所の保守作業に伴い、供給電力が約10%削減されるとし、停電が多くなるとアナウンスしていました。実際に停電の頻度は多くなっています。Tedzani 1, 2発電所の保守が完了し、今回、Nkula発電所の保守に伴い、さらに供給電力量が落ちて20%の削減となるということです。

 マラウイ国内では、300メガワット以上の電力需要に対して、287メガワットの電力供給能力しかなく、今回、20%削減ということで、230メガワット程度しか供給されないことになり、年内いっぱい長時間停電が発生しそうです。300メガワットというのはピンとこない数字だと思いますが、キロワットに換算すると、30万キロワットになります。東京電力の供給電力が約4,000万キロワットですから、いかに少ないかが分かると思います。東日本大震災の電力不足を補うため、タイから東京電力に貸与された火力発電所2基が1基12万2000キロワットとのことなので、ちょうど貸与された2基だけで、マラウイ国内に電力供給している感じになります。マラウイの電気の普及率は農村部で1%以下、都市部で20%ぐらいのようです。産業を育成しようとしても電力不足というか電気がなくてスタート台にも立てていない感じに見えます。一方、昨日も書きましたが、国民の多くは調理などに薪を使うため、森林破壊が急速に進み、深刻な問題となっています。