チャンセラー校、教員たちがマラウイ大統領の命令を拒否

 「学問の自由」を求めて、警察と対立し、教員たちが授業のストライキを続けているマラウイ大学チャンセラー校ですが、すでにストライキが始まってから1ヶ月になっています。ムタリカ大統領は先週の土曜日にストライキを行なっている教員、学生に対して月曜日から授業に復帰するように命令を出したようですが、ストライキしている側は日曜日に緊急の会合を開き、その命令を拒否したようです。

大統領が警察側を支持した形になったので、対立が深まる気がします。

FIFAランキング、マラウイ88位に浮上

 9日、最新のFIFAランキングが発表され、マラウイのナショナルチーム(“Flames”)は88位と前回より一つ順位をあげています。ちなみに日本は、前回より2つ順位を上げて15位、アジア勢で最高です!

 マラウイ周辺国だと

  • 南アフリカ 46位(+1)
  • ボツワナ 67位(+0)
  • モザンビーク 93位(+1)
  • ザンビア 97位(+4)
  • タンザニア 121位(+2)

となっており、マラウイはアフリカで19位となっています。アフリカのトップはガーナで16位です。

日本、アフリカ勢より順位が上になりましたね。やっぱり嬉しいです。

ゾンバのチャンセラー校で学生11人が逮捕

 火曜日(3/8)に、先週の日曜日(3/6)のブランタイアのカムズスタジアムで開かれたムタリカ大統領の集会でのスピーチに対して抗議のデモをしようとしたマラウイ大学チャンセラー校の学生を警察が催涙ガスなどを使って阻止に入って対立し、11人の学生が逮捕、多数の怪我人が出た模様です。学生は同日の午後遅く釈放されています。

 チャンセラー校では、2月に政治学の講義でエジプトの集団デモの原因について議論されたことに、講師が警察から事情聴取の招集を受けたことに反発し、学問の自由が侵害されたと、招集を指示した査察官に謝罪を要求していますが、査察官が拒否しており、泥沼化しています。

マラウイ前大統領の裁判が開始

 マラウイ前大統領であるバキリ・ムルジの汚職裁判が火曜日から始まっています。ムルジ前大統領と個人秘書のライネス・ウイスキーは、大統領時代に海外のドナーからの1200万ドルを個人口座に着服した汚職容疑で2005年に逮捕されています。裁判は、前大統領の健康上の問題で遅れていたようで、直前にも南アフリカへの療養を理由に裁判の延期が請求されていましたが、これは棄却されています。

マラウイ大統領、市民活動家に圧力

 ガバナンス問題や燃料危機とそれに伴う物価の上昇、低い教育水準、公共病院の薬欠乏などの様々な問題が山積している中、国内外から現政府に対しての批判・圧力が相次いでいますが、これに対して、日曜日に大統領はブランタイアのカムズスタジアムで彼の支持母体である民主進歩党の支援者の前でスピーチし、さらに党幹部に、こうした問題を批判している市民活動家に圧力をかけるように指示しています。BBCなど海外メディアも報じています。

 マラウイのNGOは、2/23にムタリカ大統領に請願書を提出しており、14日間の回答への猶予を設定しています。この返答期限が今週3/9になると思われますが、それに対して、大統領側が強行姿勢に出ているようです。先週の木曜日にはリロングウェの人権団体の事務所が急襲されるなどの事件も発生しており、返答期限が切れると対立が激しくなるかもしれません。燃油価格の高騰や南部でメイズの不作が予測されるなど外部環境の悪化が予想されるため楽観出来ない状況です。

マラウイの公立病院が薬不足に直面

 マラウイの公立病院が、中央薬剤庫が30億クワチャ(約17億円)の薬代の支払いに困っており、その結果、薬欠乏に直面しているようです。例えば、雨季のため、マラリアの疾患が多いはずですが、マラリアの予防・治療薬であるメフロキンが2週間前に欠乏しており治療が出来なかったり、副作用の非常に強いキニーネを使わなければいけない状況だったりしていたようです。メフロキンについては現在は入手出来ているようです。

実は、ちょうど2週間前に私もマラリア予防薬としてメフロキンをリロングウェ市内の薬局で探したのですが欠乏していて入手が厳しい状況でした。どこも品切れで、運良く、クロスロードショッピングコンプレックス内にある薬局で4箱だけ購入することが出来ました。南ア製の「Mefliam」で6錠入りで3,650MK(2,080円)でした。以前はインド製の「Larimef」(1,800MK)を服用してました。

マラウイ省庁で6億7500万クワチャの使途不明金

 2009/2010の会計年度の中で約6億7500万クワチャ(約4億円)の使途不明金が25省庁のうち16の省庁であったと国会で火曜日に監査報告されています。

ワーストは、

  • 障害者・高齢者省 1億4600万クワチャ(約8760万円)
  • 農業食料安全保障省 1億4450万クワチャ (約8670万円)
  • 教育技術科学省 1億クワチャ (約6000万円)
  • 運輸公共事業省 9080万クワチャ (約5448万円)

となっています。

 障害者・高齢者省は、2008/3-6にムランジェの盲学校の女子寮建設のための約7953万クワチャ(約4800万円)が目的のために正しく使われていなかったとのことです。農業省は、2008/09の会計年度に約1825万クワチャが領収書がなかったとしています。教育省は、30,000クワチャ以上の自動車の修理は、重機車両賃貸局(PVHO)に修理を出さないといけない規則らしいのですが、プライベートな自動車修理所で修理したことになっている 3400万クワチャ(約2000万円)が 2007/2008にあったとしています。運輸公共事業省は、重機車両賃貸局(PVHO)を通じての車両のリース代金 5600万クワチャと競売の車の代金 390万クワチャの合計約6000万クワチャ(約3600万円)が使途不明だとしています。

今ひとつ、使途不明とされている金額の時期と使途不明と計上しているタイミングがよくわからないのですが、まぁ、問題があるのは事実ですね。それでも、2008/2009は20億クワチャだったとのことで、改善されていると見ているようです。

印象的な政府当局のコメント、「マラウイの歳入の1/3が不正と汚職で失われる」。ため息です。

修正年金法案、議会を通過

 月曜日にマラウイ政府から提出されていた修正年金法案ですが火曜日の午後に議会を通過したようです。ただし、年金受給資格を20年から25年とする政府案は否決されたそうです。

2月、マラウイ中部・南部で雨不足、メイズの収穫に影響か

 1月は比較的雨も順調に降り、トウモロコシ(メイズ)の豊作が期待されていたのですが、2月に入りメイズが実をつける一番大事な時期に、マラウイの中部から南部にかけて、雨がほとんど降らずトウモロコシ(メイズ)の収穫の影響が懸念されています。南部のシレ川沿いの雨不足が深刻のようです。特に南部のバラカの雨不足がひどく、2/11-20の10日間は降水量は0mm(平年は46.6mm)となっています。

02/11-20(10日間)の降水量は、以下の通りです。()内は平年

  • 南部 - バラカ 0mm (46.6mm)
  • 南部 - ブランタイア 0.4mm(50.4mm)
  • 中部 - リロングウェ 28.0mm(61.9mm)
  • 北部 - ムジンバ 143.0mm (79.3mm)

02/01-10(10日間)の降水量は、以下の通りです。

  • 南部 - バラカ 8.0mm (79.3mm)
  • 南部 - ブランタイア 29.9mm (88.5mm)
  • 中部 - リロングウェ 98.3mm (72.1mm)
  • 北部 - ムジンバ 68.2mm (67.2mm)

?

 2月の月間降水量は、大体、日本の梅雨と同じで150-200mmぐらいのようですので、特に南部が全然降っていないことがよくわかると思います。北部は、反対に大雨によって洪水などの被害が一部で出ているようです。

マラウイでは、灌漑設備がほとんどないので、まさにお天道様頼みの農業となっています。メイズの備蓄のほとんどないと思われるので不作だとすぐに飢饉になりそうです。

(追記)

 マラウイでは、約1500万の人口を満たすのに220万トンのメイズが必要とのことです。2006年以降、肥料助成プログラムが功を奏して、余剰で今期は農業省は当初300万トンの収穫を見込んでいました。

マラウイ政府、年金法案を修正

 マラウイの平均寿命の53歳より、年金の受給開始年齢が高いとして、日本のメディアでも取り上がられた年金法案ですが、労働組合からの強い反発を受けて、受給開始年齢を55歳から50歳に引き下げています。ただし、終身ではなく70歳までです。また、年金の負担金ですが、雇用主が10%、従業員は5%となるようです。

受給年齢の上限があるっているのもどうなんでしょう?