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バンダ大統領、クワチャ40%切り下げへ

世銀、IMFから構造改革の要請を受けてクワチャの切り下げを要求されていますが、大統領は、長期融資制度である拡大信用供与(ECF)の再開に向けてこれを受け入れる方向であることを表明しています。現在、クワチャは公定レートは1ドル166MK(約80円)ぐらいですので、近い将来、1ドル230MKぐらいになるのでは、と思います。

一時的に厳しくなるとは思いますが、バンダ大統領の積極的な改革姿勢に好感して英国は4/25に支援の再開を表明していますし、クワチャ切り下げによってIMFの支援も再開されます。また、マラウイで恒常化していた燃料問題もザンビアが無償提供したり南アフリカが資金援助するなど支援に動いています。もともとマラウイは国家予算の40%がドナーの支援だったので、ドナーからの支援が再開すれば、クワチャ切り下げによる経済の影響も緩和され、構造改革も進むことが期待されます。

バンダ大統領、内閣改造人事を4/26に発表

今週の月曜日(4/23)に急死した故ムタリカ大統領の葬儀が行われました。これを受けて内閣改造人事が本格化したようで、木曜日(4/26)に内閣改造人事が発表されています。バンダ新大統領は元は故ムタリカ大統領は同じ民主進歩党(DPP)でしたが、対立し2010/12に除名され、その後、新党の人民党をたちあげていましたので、前政権下では完全に野党でした。こうしたことから前政権下の閣僚を入れ替えています。例えば、故ムタリカ大統領の弟で外相であったピーター・ムタリカ氏は当然ながら外されています。一方で、2月に前政権下に不正逮捕されたと見られる故ムタリカ大統領の最初の司法長官で前政権下では反政府派の活動弁護士であったラルフ・カサンバラ氏を起用したり、やはり3月に政治集会をしようとして前政権下で警察側に不当に阻止されていた前大統領バキリ・ムルジの息子を経済計画・開発大臣に起用しています。

このほか、マラウイ準備銀行総裁も入れ替えています。マラウイは、昨年、世銀、IMFの構造調整プログラムに従った政策が不履行で強く非難を受けてきました。特に市場とかけ離れた通貨レートを見直し、市場に合わせ輸出力を強化させるための一層の通貨切り下げが求められています。たしか、来月にまたIMFのチームがマラウイを訪れるようなので、再び軌道に乗ることが強く期待されていると思います。

マラウイに対する渡航情報(危険情報)の発出

日本の外務省は、4/24付で渡航情報を発出しています。内容的には今までと同じで全土に対して「十分注意してください。」となっていますが、最近のマラウイの情勢を反映したものになっています。

マラウイは4/5に前大統領が急死し、対立関係にあった副大統領が昇格しました。現大統領のジョイスバンダ大統領は国民からも人気が高く、西側諸国からも非常に期待感が強く凍結されていた援助が再開されていく見通しです。今後の焦点は国内問題の対応以外に6月下旬に首都リロングウェで予定されているアフリカ連合の会合です。ここにスーダン西部のダルフール地区で大量虐殺を行ったとして国際手配されている現大統領のバシール氏が出席するか否かが国際社会の大きな関心事となっています。昨年の東南部アフリカ市場共同体(COMESA)のリロングウェで開催された首脳会合に、このバシール大統領が出席し、国際社会は拘束するように要請しましたが前政権は無視し非難を受けています。今回、どのように対応するかが注目されています。

マドンナ、バンダ新大統領を歓迎

マドンナは木曜日に香水の発表会でメディアからのインタビューに応じて、新しく就任したアフリカで2番目の女性大統領であるジョイス・バンダ大統領を歓迎するコメントをしています。

マドンナは2006年に慈善団体であるレイジング・マラウイを設立し、孤児や教育の支援を行なっています。2009年に国の指導層育成のための女学校の設立を計画しましたが、資金運用や用地買収で問題が発生し、設立を断念せざるを得ませんでした。2011年に新しい形で支援するという声明を発表し、今年に入り、米国のNGOを通じてマラウイに学校を建設することを発表しました。しかし旧政権とのコミュニケーションがうまくいっておらず、前政権の教育大臣がこの計画の相談を受けていないと不快感を示したことが報じられ、メディアはマドンナの売名行為ではないかとバッシングしていました。日本のメディアでも先月取り上げられました。今回、ジョイス・バンダ女史が大統領に就任したことで、政府側にも理解が得られるのではないかという期待の現れだと思います。

マドンナはマラウイから養子を特例でしたこともあり批判が多いのも事実ですが、一方で、マラウイに対して多額の援助をしているのも事実です。

クンボ・カチャリ氏が副大統領に就任予定

今週の水曜日(4/11)に副大統領が大統領に昇格になり、空席になった副大統領職に、現在バンダ大統領の所属する人民党の副党首であったクンボ・カチャリ氏が内定したことが発表されています。今日(4/13)に宣誓式が行われる予定で、正式に副大統領に就任する予定です。

クンボ・カチャリ氏は、2002-2004年まで民主統一戦線(UDF)に所属、その後、2004年の選挙後、前政権の与党である民主進歩党(DPP)に所属、その後、産業科学技術大臣、内務・保安副大臣、青少年・スポーツ大臣、保健大臣を歴任し、2009/06ー2010/08までは、運輸大臣でした。2010/12にバンダ大統領と一緒に民主進歩党から除名されていました。

マラウイ新大統領、62歳に

先週の土曜日(4/7)に前ムタリカ大統領の急死を受けて、新大統領に就任したジョイス・バンダ女史ですが、昨日(4/12)に62歳となっています。

ジョイス・バンダ副大統領が新大統領に昇格

今週の木曜日(4/5)の朝にムタリカ大統領が心臓発作で死亡しましたが、土曜日(4/7)の午後に、憲法の規定に従い、副大統領であるジョイス・バンダ女史が昇格し、新国会議事堂で宣誓を行い、大統領に就任した模様です。午後2時からの予定でしたが午後4時から執り行われたのではないかと思います。午後5時過ぎから宣誓式が実施されたようです。ジョイス・バンダ新大統領は61歳、マラウイ初の女性大統領となります。(1950/04/12生まれなので、まもなく62歳になります。)

ジョイス・バンダ新大統領は副大統領のときに与党から野党に転じ、昨年7月の少なくとも19人が犠牲になった反政府デモを副大統領の立場でありながらも支持し、反政府側の有力リーダーの一人でした。高潔なイメージがあり、国民に広く人気があります。昨年、雑誌「フォーブス」に、アフリカで最も影響力のある女性の3位に選出されています。また、バンダ新大統領は、前政権に対して復讐はしない、と声明を出しており、すみやかに悪化した西側のドナー諸国との関係を改善し、現在、物価高騰により経済危機を引き起こしている主因の外貨不足、燃料不足に対策が講じることが出来れば、再び経済のV字回復が可能ではないかと思います。ただ、外貨不足問題は根が深いので、物価上昇を抑えながら、クワチャを切り下げ、外貨獲得のためのタバコに替わる換金作物などの取り組みが急務です。ドナーの凍結された援助を、まずは再開させることが重要です。ドナーもバンダ新大統領に対して好感を持っており、国民も期待しています。

しかし、先月まで故ムタリカ大統領は、反政府グループに対する圧力を強めていて、市民団体リーダを不当逮捕したり、野党の党集会を阻止したりしていました。ジョイス・バンダ新大統領率いる人民党も、厳戒態勢の中、先月集会を警察に阻止されていました。先月、市民団体が大統領の辞職を要求し、応じなければ国民に政権の是非を問う国民投票を呼びかけており、政府側と反政府側との衝突が必至な状況でしたが、こういった形で幕切れになるとは予想していませんでした。ただ、故ムタリカ大統領は昨年に英国連邦首脳会合の後にも約2週間所在不明となっていましたが、メディカルチェックを香港の病院で受けていたと見られており、健康状態については国民も懐疑的でした。

マラウイのムタリカ大統領が死亡

昨日の木曜日の朝に心臓発作によって倒れ、リロングウェ市内のカムズ中央病院に運ばれたときにはすでに心停止状態であったことが非公式に伝えられていますが、BBCもすでに死亡したとの関係者のコメントを報じています。政府側からは、大統領が南アフリカに昨日の夜に緊急搬送されたことを伝えていますが、公式には死亡をまだ国民には伝えていないようです。

(追記)ロイターも政府筋関係者の情報として死亡を伝えています。

マラウイのムタリカ大統領、心臓発作で危篤、死亡か?

マラウイのムタリカ大統領ですが、昨日の木曜日の早朝に心臓発作で倒れ、首都リロングウェのカムズ中央病院に緊急搬送されました。海外メディアも取り上げており、危篤状態であると報じています。その後、南アフリカに緊急搬送されたようですが、一部のメディアでは、カムズ中央病院に到着したときにすでに心停止していたとも報じています。

今回の事態を受けて、マラウイの政局は大きく動きそうです。大統領が職務を遂行できない場合、副大統領が職務を遂行するのが普通ですが、マラウイの副大統領のジョイスバンダ女史は、与党から除名を受けた後に、野党として人民党を立ち上げています。このため、与党の民主進歩党(DPP)からの反対は必至です。また、大統領は先月、宗教系市民団体である社会問題委員会(PAC)らから辞任を迫られていた状況で、IMFや世銀などからは通貨切下げ要求があり、混迷しそうな気配です。私は帰国して日本にいますので、もう午後ですが、マラウイでは金曜日の朝ですから、これからもう少し詳しい情報が入ってくると思います。マラウイは金~月曜日までがキリスト教の復活祭(イースター)の休暇になるのですが、暴動などを恐れて厳戒態勢がとられるのではないかと思います。