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ジョイス・バンダ副大統領が新大統領に昇格

今週の木曜日(4/5)の朝にムタリカ大統領が心臓発作で死亡しましたが、土曜日(4/7)の午後に、憲法の規定に従い、副大統領であるジョイス・バンダ女史が昇格し、新国会議事堂で宣誓を行い、大統領に就任した模様です。午後2時からの予定でしたが午後4時から執り行われたのではないかと思います。午後5時過ぎから宣誓式が実施されたようです。ジョイス・バンダ新大統領は61歳、マラウイ初の女性大統領となります。(1950/04/12生まれなので、まもなく62歳になります。)

ジョイス・バンダ新大統領は副大統領のときに与党から野党に転じ、昨年7月の少なくとも19人が犠牲になった反政府デモを副大統領の立場でありながらも支持し、反政府側の有力リーダーの一人でした。高潔なイメージがあり、国民に広く人気があります。昨年、雑誌「フォーブス」に、アフリカで最も影響力のある女性の3位に選出されています。また、バンダ新大統領は、前政権に対して復讐はしない、と声明を出しており、すみやかに悪化した西側のドナー諸国との関係を改善し、現在、物価高騰により経済危機を引き起こしている主因の外貨不足、燃料不足に対策が講じることが出来れば、再び経済のV字回復が可能ではないかと思います。ただ、外貨不足問題は根が深いので、物価上昇を抑えながら、クワチャを切り下げ、外貨獲得のためのタバコに替わる換金作物などの取り組みが急務です。ドナーの凍結された援助を、まずは再開させることが重要です。ドナーもバンダ新大統領に対して好感を持っており、国民も期待しています。

しかし、先月まで故ムタリカ大統領は、反政府グループに対する圧力を強めていて、市民団体リーダを不当逮捕したり、野党の党集会を阻止したりしていました。ジョイス・バンダ新大統領率いる人民党も、厳戒態勢の中、先月集会を警察に阻止されていました。先月、市民団体が大統領の辞職を要求し、応じなければ国民に政権の是非を問う国民投票を呼びかけており、政府側と反政府側との衝突が必至な状況でしたが、こういった形で幕切れになるとは予想していませんでした。ただ、故ムタリカ大統領は昨年に英国連邦首脳会合の後にも約2週間所在不明となっていましたが、メディカルチェックを香港の病院で受けていたと見られており、健康状態については国民も懐疑的でした。