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マラウイ大統領、日本に到着

マラウイのジョイスバンダ大統領は、木曜日に、土曜日(6/1)から行われる第5回アフリカ開発会議(TCAD)に出席するために日本に到着したようです。本会議への出席はもちろんですが、明日、金曜日にTICAD関連イベントである「女性の活躍と経済成長」というシンポジウムで基調講演を行う予定となっています。そのほか、日本に在住しているマラウイからの留学生などにも面会する予定のようです。

アフリカ開発会議が来週の土曜日(6/1)から開催

いよいよ来週の土曜日からアフリカ開発会議(TICAD - Tokyo International Conference on African Deveplopment)が横浜で開催されます。5年に1度開催されている日本主導の会合で、1993年に最初の会合が開かれています。今回は5回目になります。会合の目的は、アフリカの対話を促進し自助努力の支援となっています。日本がアフリカとの関係を強化するために発足された会合です。この背景には日本は国連の常任理事国入りを目指していたので、アフリカ各国の協力を取り付けたい、そしてアフリカには原油やレアメタルなどが豊富にあるので、資源外交を有利に進めたいといった思惑があって行われているようです。現在では、アフリカの急速な経済発展に伴いアフリカ市場もターゲットになっています。

2000年以降、中国の存在感が増すにつれて、このTICADの重要性が増してきています。中国は、2000年に中国・アフリカ協力フォーラムを発足させ、資源開発の投資を加速させています。TICADは、もともとアフリカ開発の在り方を議論する場であり、個別のODAの案件を議論する場ではない、つまり具体的な支援額などを議論する場でないとしていました。しかし、中国が存在感を増すにつれて、日本もそうしたことを言っていられなくなり、前回、2008年の会合では、ついに対アフリカへの政府開発援助(ODA)を倍増を表明しました。

今回の会合でも、すでにアフリカ開発会議宣言案をメディアが報じていますが、「民間セクター主導の成長促進」を掲げ、対アフリカに対してアフリカ投資基金を強化し、5年間で現在の25億ドル規模から50億ドル(約5,000億円)に強化、円借款も5年間で15億ドル(1500億円)規模に増額する方向のようです。つまり、具体的な援助額を明示しています。

この背景は、中国だけでなく韓国の躍進もあります。中国、韓国は、官民一体となってアフリカ諸国にアプローチをし、民間レベルの受注にいたっています。特に中国のやり方がかなり強引で、中国が相手国に資金を供与するものの、発注は中国企業となる「紐付き」援助となっており、技術などは現地で供与しないためアフリカ側には残りません。中国の新植民地政策などとも呼ばれ、アフリカ諸国との摩擦が絶えず起こっており不信感も根強いです。

日本は、国内に注力していたためか、高い技術力に固執するあまりグローバル戦略がいつの間にか遅れてしまった感があります。最近では、電化製品といえば、安価なものは中国製、高価なものは韓国製といった感じです。日本の存在感はないです。こうしたこともあり、ODAの在り方も変化し、官民連携にシフトしている感じです。日本も昔は、官民連携していたはずですが特定企業にのみ便宜を図るようなこともあったため批判が高まり、連携が弱まったのですが、ここに来て官民一体となってやっていこう、という機運に戻りつつある気がします。ただ、中国などと違い、今回のTICADでは、「日アフリカ官民連携人材育成構想」といったものが打ち出されるようで、5年間で1,000人の留学生をアフリカが受け入れ、企業でのインターンなども行うとしています。つまり技術も自助努力の礎として供与していこうというものです。日本としてはアフリカとのウイン・ウインの関係を築く模索をしていて中国との差別化を鮮明にしたいところです。

日本市場だけ見ると、少子化などで市場はゆっくりと縮小しているといえるかも知れませんが、その一方で人口が急増しているアフリカは魅力的な市場です。この市場に取り組むこと、つまり日本が出遅れているBOP市場(Base of the Pyramid, 途上国低所得者層市場)にどのように官民挙げて取り組んでいくかが、これからの課題といえそうです。日本は今まで高い技術力と品質があれば市場で売れていたのですが、その神話も過去のものになりつつあり、BOP市場では、通じない気がします。それぞれの国の経済事情を考慮し、リーズナブルでニーズに合った製品やサービスを提供していく、といったことが求められていると思います。

TICAD関連イベントでマラウイ大統領が講演予定

第5回アフリカ開発会議(TICAD)が横浜で6/1から開催される予定ですが、それに先立ち、5/31にTICAD関連イベントとしてパシフィコ横浜で「女性と経済」をテーマとしてシンポジウムが開催されます。この中でマラウイのジョイスバンダ大統領が「マラウイで、アフリカ大陸で、立ち上がる女性たち」というテーマを記念講演(14:00-14:50)を行う予定になっています。

翌日(6/1)には「助産婦の健康に対する投資の効果」というジョイセフ主催のイベント(12:30-14:00)があり、こちらにはパネルディスカッションのパネリストとして参加される予定になっています。

日本、アフリカ資源開発に20億ドル(約2000億円)を拠出

日本政府は18日、アフリカ各国の資源相との会合の中で、先行している中国を超えて巻き返しを目指して、アフリカのエネルギー、鉱物資源開発プロジェクトに5年間で総額20億ドル(約2000億円)を供出することを表明しています。マラウイのバンデ資源相は、日本企業などの誠実な投資家を迎え入れたいとして日本のこうした動きを歓迎しています。

出遅れ感のある日本ですが、先行する中国はあまりに自国中心主義であるためアフリカ諸国が不快感を示しています。具体的に民間レベルの投資実績が出れば風向きが変わるかもしれないですね。

無償キャンペーン、キンドル本「途上国海外生活~持っていくと良いモノ~」

すでに多くの方い読んでいただきありがとうございます。1日限定ですが、無償キャンペーンのお知らせです。日本時間で今日(4/26)の午後5時ぐらいから明日(4/27)の午後5時ぐらいまでの予定です。(時間が中途半端なのはアマゾンさんが太平洋標準時ベースのためです。)Kindle本ですが、専用のKindle端末がなくても、AndroidやiPad, iPhoneがあれば、Kindleアプリをインストールすると読むことができます。ぜひお読みいただいたらレビューをお寄せいただければ幸いです。

ついに「特ダネ!」でマラウイとマドンナの対立が・・・

もう、事は落ち着いていると思うのですが時間差があるようで。

今日の朝、出かけようとしたら「特ダネ」のテロップに”このあと、マドンナ(54)、「特別待遇」めぐりマラウイ国王ともめる”がでてびっくり、もちろん国王はテロップの間違いで大統領が正解です。とりあえず、録画して帰宅してから見ましたが番組の中では、「慈善活動が”脅迫”?マドンナvsマラウイ大統領」となってました。09:25-09:31までの約5分間、すでにこのサイトでも取り上げ済みですが、マドンナが空港で国賓扱いの出迎えを要求、大統領との面会も求めたとし、マラウイ大統領が脅迫に近いというプレスリリースを出し、それにマドンナが抗議するプレスリリースを出したことをデープスペクターさんが紹介していました。興味深かったのは、両者のプレスリリースの文書のコピーを紹介していたことでしょうか?マラウイ政府はタイプされた公式文書、マドンナは手書きの文書でした。

事実関係は正直わかりませんが、マドンナが関わると「特ダネ」とかでも取り上げるというのはすごいことです。

あまり知られていないのですが、今回マドンナはマラウイでマドンナが建設した学校の校舎のほかに首都リロングウェ近郊のコンソールホームズという孤児院施設を訪れています。この施設は、2000年に孤児や虐待児を保護するために、元神父夫妻が設立したNGOが運営しているそうです。いろいろな国際機関やNGOがサポートしているようですが、2006年にマドンナが設立した慈善団体「レイジング・マラウイ」が2006年から運営をサポートしています。(このサポートもいろいろ問題があるようですが。)

実はこの施設、日本も政府開発援助ODAの実施機関である国際協力機構JICAを通じて青年海外協力隊が派遣されて運営を支援しているんですね。延べ人数は10名を超えるようです。協力隊の方なので、現地で生活して支援しているはずなのですが、”マドンナがサポートしている”孤児院施設という形でしか見えてきません。マドンナ側も日本も支援してるんですよ、と言わないですし、日本もあまりアピールしないし、どうなんでしょうか?一応、日本の国民の税金が使われて支援が行われている、ということだけ書いておきたいと思います。

マラウイ、「風をつかまえた少年」のプレゼンを今夜NHKで放映

アフリカの天才少年といわれ、14歳のときに独学で1冊の本を頼りに廃品を利用しながら風力発電をつくったウィリアム・カムクワンバ氏のプレゼンテーションがNHK教育の「スーパープレゼンテーション」23:00-23:25で紹介されるようです。ぜひお時間のある方はご覧になってください。

TEDは米国の非営利団体で年に1回カンファレンスをおこなっており、数多くの著名人がプレゼンテーションを行なっているそうです。このNHKの番組では優れた著名人のプレゼンテーションを紹介しています。今回は、若手発明家のプレゼンテーションとしてマラウイのウィリアム・カムクワンバ氏とインドの若手エンジニアのプレゼンテーションを紹介するようです。

マラウイの自己中心的な議員

世界各地のメディアの取り上げられない声を発信しているグローバルボイスが「マラウイ大統領バンダVS「自己中」な議員たち 」という記事を配信しています。原文は3/6付で日本語訳は4/3に公開されています。

今年の2/26に国会の中でジョイスバンダ大統領が2009年までにさかのぼって議員たちが要求している1000万クワチャ(約264万円)の未払いの燃料手当を支給しないと述べ、議会が混乱したことについてのコメントとなっています。。この記事では、経済回復を目指す中、国民には倹約を呼びかけているにもかかわらず議員は自己中心的であると述べています。

マラウイは、前ムタリカ大統領のときに独裁色を強めたことからドナーからの支援が凍結し経済は大きく失速しました。昨年の4月にムタリカ大統領が心臓発作で急死後に昇格したジョイスバンダ大統領は、経済再生に向けて国民に倹約を呼びかけ、国会議員にも給与や手当の削減を求めています。こうした中での権利主張ですから、自己中心的だと言われても仕方がありません。

こうした記事、もっと取り上げられてもいいと思います。

マドンナとマラウイの深い溝

マドンナは、4/1に2年ぶりにマラウイを訪れたようです。プライベートジェットでリロングウェ空港に到着後、常宿としているリロングウェ市内から少し離れたクンバリロッジに宿泊していたようです。今回の訪問に際しては、2006年と2009年にそれぞれマラウイから養子とした迎えたデビットくんとマーシーちゃんも同行しています。マドンナが設立した慈善団体の「レイジング・マラウイ」を通じて、国際NPO「buildOn」に資金協力して建設された中部カスングの学校を2校を訪問しています。そのほか、南部の商業都市のブランタイヤのクイーンエリザベス病院を訪問し、小児外科医の人材育成のサポートを受けている研修医と面会、そして、最後にリロングウェ近郊のナミテテにある孤児・虐待児の保護施設であるコンソールホームズを訪問したようです。

と、ここまでは良い感じの話なのですが、マラウイ政府は、マドンナがマラウイ訪問中に国賓としての特別待遇を求めたとして非難しています。具体的には、国賓として大統領との面会を求めレッドカーペットを敷いて礼砲で出迎えるべきと主張したとしています。一方、マドンナは、そうしたことは要求していないし、これまでマラウイに対して尽力してきたことが理解されず遺憾、と声明を発表しています。

マドンナは、2006年に孤児院を訪問し、デビットくん(当時2歳)を養子にしています。ただ孤児院にいたのですが、母親は亡くなったのですが父親はおり、この父親の同意を得て養子としました。マラウイでは、同国に2年以上の在住をした者でないと養子は出来ないとされており、裁判所が例外的に認めたもので、論争となっていました。その後、2009年にマーシーちゃんも養子にしていますがこのときも居住条件が同様に問題となり、一度は裁判所が却下したものの、マドンナ側が控訴し、裁判所がマドンナの孤児院などの支援活動を考慮し、例外的に認めていました。

マドンナは、2006年に慈善団体「レイジング・マラウイ」を設立し、孤児院などの支援活動をしてきました。今回の溝を作ったきっかけとなったのは、女学校建設。リロングウェ郊外の空港近くに女学校を建設し500人の女学生を受け入れる予定でした。2011年12月に完成を目指していたのですが、土地の所有権や資金運用で問題が発生し、2010年12月に建設は頓挫しました。これによりスタッフは解雇されたのですが、2011年3月にこのレイジング・マラウイのスタッフ8名が不当解雇と給与未払いでマドンナに対して訴訟を起こしています。この当時のレイジング・マラウイの責任者がジョイスバンダ大統領の妹であるアンジミレ・オポンヨ氏です。なんとなく見えてきたと思います。彼女は現在は教育省の首席秘書官となっています。

そして、もう一つは女学校建設の頓挫後です。マドンナは、2011年1月に女学校プロジェクトの代わりに、より多くの児童が関わる形を考えていることを示唆する声明を発表し、翌2012年1月に米国拠点の国際NGO「BuildOn」に資金30万ドル(約2400万円)を拠出し、マラウイに10校の学校を建設すると発表しました。このときもマラウイ当局は協議なしで発表したとして不快感を表明しています。このときは独裁色の強くなっていたムタリカ大統領のときでした。ムタリカ大統領は昨年(2012)の4月に心臓発作で急死しており、副大統領であったジョイスバンダ氏が大統領に昇格しました。

学校の方ですが、昨年(2012)の12/28に小学校を10校建設したことを発表しました。約5,000人の児童が受け入れ可能になったと述べています。しかし、今年の1月に入り、マラウイ教育大臣は、マドンナは10校建設したのではなく、校舎を10棟建設したのであり、すでにある小学校を含めているとし事実誤認があるとコメントしています。

ちょっと長くなりましたが、こんな背景があり、マドンナとマラウイ政府との間には深い溝があるようです。マドンナは昨年の4月にジョイスバンダ氏が大統領に就任した際に、歓迎する旨の声明を発表していますが、マラウイ政府側にはある意味届いていないようです。コミュニケーション不足が原因だと思いますが、少なくともマラウイ国内での活動ですのでマラウイ政府側との十分な協議が必要かなと思います。私も生活していたときに感じたのですが、マラウイは、世界最貧国の一つですが、プライドは非常に高いです。英国の植民地時代からの影響からか国の水準に比べて権利意識も非常に強いです。