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先週の女性への集団暴行で40人を逮捕

 先週の火曜日にリロングウェが発端となり、翌水曜日にムズズ、ブランタイヤに飛び火したズボンやミニスカートを着用した女性に対する集団暴行で全国で40人を逮捕したことを警察が発表しています。

サイクロンの影響による大雨で洪水となり448世帯が被災

マラウイの深南部に位置するンサンジェで、モザンビーク海峡のサイクロンFUNSOの影響による大雨で、シレ川などが氾濫して洪水となり、323の住宅が崩壊、125の住宅が浸水、農作物への被害が出ています。このサイクロンがモザンビーク海峡沖に停滞していたため、インド洋から大量の湿った空気がもたらされて集中豪雨となったようです。感染症の発生が懸念されています。また、数千人が数日間続いた雨で孤立しているといった情報もあります。ンサンジェのほか、先週からブランタイヤやカタベイ、カスングなどで局所的な豪雨となり、各地で被害が出ているようです。

1/20(金)の夜に83の住宅がンサンジェで豪雨により崩壊したという報道もありますが、上記の数字に含まれているかは未確認です。雨はムランジェ、ブランタイヤ、チョロなどのマラウイ南部の広い範囲で激しく降り続いているようです。

非常に強いサイクロンの影響でマラウイ南部は大雨に注意

(間違いが大きくあったので訂正してします。サイクロンの進路を見間違えました。) 

非常に強いサイクロン(台風)FUNSOがモザンビーク海峡で1/19に発生しており、モザンビーク沖で迷走した後、一旦北上し、モザンビーク沖の約150キロの海上にあり、1/23の9時現在、南東に時速約50キロで進んでいるようです。このサイクロンの影響でマラウイ南部では大雨が予想されており十分に警戒するようマラウイ気象サービス局も呼びかけています。サイクロンは今後、再び南下するようです。たぶん、現在マラウイに一番最接近しているようで、すでにマラウイ南部ではところにより強い雨が降っています。モザンビークでは、このサイクロンにより、週末に少なくとも12人が死亡しているとのことです。

 地図は、今日(1/23)の9時現在のサイクロンの位置です。距離感がつかめないと思いますがサイクロンの位置とブランタイヤまで直線距離で約520キロです。20120123_サイクロン

サイクロンの直接的な被害は少ないと思いますが、刺激されて集中豪雨となる可能性はあると思うので、農作物などへの影響が心配です。

サッカーアフリカ選手権が開幕

 昨日(1/21)より、サッカーのアフリカ選手権(アフリカ・ネイションズカップ)が赤道ギニアで開幕し、赤道ギニアが1-0でザンビアがセネガルを2-1でそれぞれ勝利しています。アフリカネイションズカップは2年に1度偶数年に開幕され、優勝国は、FIFAコンフェデレーションズカップの出場権が与えられます。アフリカ大陸ではもっとも権威のあるサッカー選手権となっています。2/12に決勝が行われる予定になっています。

マラウイは、昨年この本戦出場をかけて、チュニジアと予選K組で最後の1枠を巡って激闘をしましたが、残念ながら敗退しています。

海外メディアも女性への集団暴行を取り上げ

 今週の火曜日に首都リロングウェで端を発したズボンやミニスカート着用の女性への集団暴行ですが、水曜日にムズズに飛び火し、ブランタイヤでも未遂事件がありました。火曜日の夜にはこの事件に触発されたと思われるカップルへの襲撃がブランタイヤであり、男性は殺害され女性が集団で性的暴行を受けています。木曜日に事態を重くみたムタリカ大統領が女性の服は自由であると国営放送を通じて演説し、大統領が命令したかのようなデマを完全否定しています。また、副大統領ですが事実上野党のリーダである人民党のジョイスバンダ女史は、経済悪化の不満の一端であるとし政府の責任を問いただしています。

 そして、金曜日にこれに対する女性の抗議活動が南部商用都市のブランタイヤで行われ、3000人以上が参加した模様です。こうした一連のニュースは海外の主要メディア(BBC, AFP, CNNなど)でも報じられています。特にCNNが日本語の記事として配信、Yahooニュースなどにも配信されているため日本の方にも変わり種の事件として知られることになったようです。

 時代錯誤の事件で驚かれたのではないかと思います。私の身の回りでは直接的にはあまり感じませんが、男女差別や年寄りや子供の虐待など依然として多く時々現地新聞に取り上げられます。ただ、今回の事件は思想的な背景があるとは言い難く、外貨不足、燃料不足からの経済悪化に伴い燃料や物価が高騰、この不満が高まっているのに乗じた輩が富裕層のイメージが強いズボンやミニスカートの女性を攻撃、さらに暴動を誘発させて商品の略奪を狙った悪質なただの犯罪だと思います。

女性への集団暴行に抗議し、3000人がブランタイヤに集結

 先日のリロングウェ、ムズズでのズボン、ミニスカートを着用している女性に対しての集団暴行に抗議して、3000人以上がブランタイヤに集結したとのことです。抗議に参加した人はその意思を表明するために白いTシャツとズボンを着用していたようです。

マラウイでは、1994年まで初代大統領のカムズバンダの時代は、ズボンやミニスカートを着用することを禁じていたそうです。(このほか男性の長髪なども禁じていたようです。)しかし、以降は服装は自由であり、昨日、ムタリカ大統領も国営放送を通じて服装は自由であることを強調しています。

ブランタイヤ、カップルを襲撃し性的暴行、惨殺

 ブランタイヤのサニーサイド公園で、1/17(火)の夜7時頃、恋人同士が話しをしていたところに3人の男がやってきて、23歳の男性に携帯電話を渡すにように要求、男性が拒否すると男たちは蛮刀(大ナタ)で男性を叩き切り虐殺、その後、女性を集団レイプしたとのことです。女性は病院でエイズの感染が疑われるので治療を受けています。

タイミング的にリロングウェでの女性への集団暴行があった日の夜なので、リロングウェの事件に触発された犯罪なのかも知れませんが許されません。邦人には以前から夜6時以降の徒歩での外出を控えるように指示されていますが、この事件を見てもわかるように夜7時でも非常に危険です。マラウイではリロングウェやブランタイヤなどの都市部でも夜6時を過ぎると一気に人気がなくなります。蛮刀で一撃されたら一溜りもありません。もとともアジア系に対して良い感情を持っていないのでさらにリスクが高くなります。

ムタリカ大統領、女性への暴行を厳しく非難

 ムタリカ大統領は、本日午後2時半過ぎからだと思いますが国営放送で演説し、火曜日にリロングウェで、そして、水曜日にムズズで起きたズボンやミニスカートを着用している女性を集団で襲った犯行について厳しく非難しました。また、女性の服装は自由であると述べた上で、スカートよりズボンの方が体が保護されるので、むしろ着用するべきと述べ、大統領がスカートやチテンジを着用するようにと命令したというデマを完全に否定しています。

これで一段落するのではと思っています。ただ物価が高騰して市民のフラストレーションが溜まっているので、また別の形で爆発するのでは?と心配です。

リロングウェの女性への集団暴行を受け、ブランタイヤで抗議行動を計画

 17日のリロングウェ、そして昨日の北部ムズズでの集団暴行事件を受けて、ブランタイヤのHHI多目的ホールにて、1/20(金)の9:00-12:00まで抗議行動が行われるようです。今日の現地新聞にプレスリリースされており、参加者は平和の象徴として白の服の着用を求めており、政党色を排除するため、政党のイメージカラーの服は着用しないように求めています。

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IMF、引き続きマラウイ政府と交渉している模様

 今週に入っても、協議内容はおそらく公開されていないと思いますが、外貨不足、燃料不足のキーとなるクワチャ切り下げを巡って、IMFとマラウイ政府は交渉しているようです。すでに何度か書いていますが、現在公定レートは1ドル=165クワチャとなっていますが、闇マーケットでは1ドル=250-270クワチャで取引されているようで、公定レートと実際の市場価値との差が大きく、通貨の信用が低くなっています。先日(1/17)、100ドルを両替しましたが、1ドル=167クワチャでした。

 IMFはマラウイを、拡大信用供与(ECF)という国際収支バランスが大きく崩れて赤字に悩み長期的な構造改革を必要する国に対して供与するIMFの融資制度の枠組みに戻すため、マラウイ政府に対して、公定レートと闇レートとの差を解消させるためにクワチャの切り下げを強く求めています。

 短期的には輸入品の価格があがり、物価が高騰しますが、今のまま放置していおくと、通貨の信用がなくなり、スーパーインフレが発生してしまう可能性があります。マラウイの場合は、昨年から統治問題、人権問題、そして英国高等弁務官の追放など、国際社会に自ら背を向けている感じです。国家予算の3-4割を占めていたドナーの援助凍結と外貨獲得源として6-7割を占めているタバコの歳入ダウンから外貨不足、燃料不足が悪化していることは明らかで、この点が国民の大きな不満になっています。これは、ちょうど患者が医者の言うことを全く聞かずに不摂生をして病状が悪化しているのと同じです。病気の治療で使われる薬のように、副作用があるからといって服用しなければ、ますます悪くなります。患者本人が病気を治そうという意思がなければ治りません。