来週の全国規模の反政府デモは2日間実施か?

 今日の現地新聞のネーション紙によると、デモ主催者の団体の一つであるマラウイ労働組合会議のスポークスマンのコメントとして、7/20のデモ時に渡された政府への嘆願書の回答を待つために2日間の抗議活動を行うことを決定した、と報じています。デモは、08/17の午前8時から、中部はカムズ像隣のエリア18Aのガソリンスタンド、南部はビクトリア通りにそれぞれデモ参加者が集合すると報じています。

つまり、08/17(水)、08/18(木)と2日間続けてデモ活動が実施される可能性が高いようです。来週は、水曜日以降は、週末まで自宅待機するしかないような情勢です。今週中に備蓄食料等の買い出しをしておかないといけないですね。まぁ、もともと1週間程度の備蓄はしていますけど。対話の道を模索してほしいです。今の町の様子からは、デモを実施するような雰囲気はゼロなので、非常に違和感があります。

エリア28, 30, 18で土曜日に終日停電

 マラウイ電力公社によると、光ファイバーケーブルの設置作業に伴い、エリア28工業地域、エリア30、およびエリア18の健康センターが土曜日(08/13)の06:00から17:00まで長時間停電するとのことです。また、北部地域でも日曜日に送電設備のメンテナンスのために07:00-17:00までの長時間停電が計画されています。

マラウイ大統領、8月17日に対話を計画

 マラウイボイスによると、ムタリカ大統領は、全国規模デモが予定されている同日に人権団体らと対話を行う予定であることを伝えています。

前回のデモの日にも大統領は公開演説を行い、人権団体らに出席するよう、要請していました。

8月17日の全国規模の反政府デモは実施の方向

8/9(火)の夜に政府側から要望に応える形で、政府、与党とデモを主催する人権団体らとの会談があったようですが、会談は物別れにおわり、大統領との対話が約束出来なかったとし、予定通り、全国規模の反政府デモが実施される見通しです。昨日もマラウイ労働組合会議の会合が実施され、デモの実施を支持する声明を発表しています。

 一方、ムタリカ大統領は、火曜日だと思いますが、7/20のデモに伴う暴動および犠牲者が生まれたことは、デモ主催者側の責任であるとし、8/17のデモを止めるよう、警告を発しています。「どうか子供を道路に行かせないようにして下さい。」とも発言し、デモ阻止のために再び武力による鎮圧を示唆しています。大統領、大統領夫人とも一貫して、7/20のデモ後に、デモ主催者、支援者を非難する声明を出しています。

 ちょうど日本では、テレビ東京でマラウイ国営放送の制作する日本紹介番組の密着取材が放送されていて、マラウイに注目が高まっているはずですが、マラウイの状況はよくないです。日本人を含め、中国人などアジア人に対して感情もかならずしも良いとはいえず、暴動が発生した場合には、ターゲットになってしまいます。このため細心の注意が必要で、日本の外務省も8/10付で注意喚起を発しています。

 マラウイでは、7/20に燃料不足、外為不足などによる経済悪化により不満が高まり、全国規模のデモが行われ、警察とデモ隊が衝突するなどして、少なくとも19人の死亡が確認されています。この7/20のデモの際に反政府側からは嘆願書が提出され、期限が8/16とされています。今のところ、この嘆願書への回答の動きはないようで、こうした状況を鑑みて、デモ主催者側はデモ実施をする方向で動いているようです。平和的に実施されることを祈るのみです。

和風総本家「日本という名の惑星」、マラウイ 本日21:00から

 テレビ東京で放映される和風総本家 21:00-22:34でマラウイのテレビ局が緊急来日SPということで、マラウイの国営テレビMBCが日本をはじめて取材し、日本紹介番組「日本という名の惑星」を制作する様子を密着取材したスペシャル番組のようです。日本の方でテレビ東京が見れる方、ぜひご覧になって下さい。

「テレビ大阪」が制作したようです。日本側からのオファーにMBCが応じて、取材に4人が来たとのこと。テレビ東京は、今年に入ってから、私が知っている限りマラウイをこれで3回取り上げていますね。

マラウイ:反政府デモの発生に伴う注意喚起(その2)

日本の外務省が8月17日(水)に予定されている全国規模の反政府デモに対しての注意喚起を8/10付で発しています。

8/17に予定されているデモについては、本サイトでもすでに報じている通りです。7/20, 21のデモ、およびデモに伴う暴動では、公式には19名の死亡が報告され、デモの規模(数千人規模と推察される)に対して死者の数が非常に多く、政府側の武力鎮圧およびデモ当日のメディアの弾圧、報道規制については国内外から大きな批判が出ています。

ハンガープロジェクト、マラウイ大統領へのアフリカ賞授与を取り下げ

 慢性的飢饉に苦しむ人々を支援しているNGOのハンガープロジェクト(米国)が2011年のアフリカ大陸での飢餓撲滅のために顕著な指導力を発揮した人へ与えられる「持続可能な飢餓撲滅のための指導力のアフリカ賞(Africa Prize for Leadership for the Sustainable End of Hunger)」をマラウイのムタリカ大統領に授与することを7/13に発表しましたが、7/20, 21に全国規模のデモに伴う暴動で多くの犠牲者を生んだ前例のない重大な出来事を憂慮し、8/1にアフリカ賞授与を取り下げることを発表しています。

ムタリカ大統領は、食料安全のために2005年に導入した農業助成金プログラムが高く評価されていました。実際にこのプログラムが功を奏して、トウモロコシの収穫が安定し、余剰のトウモロコシが輸出できるほどでした。さらに進めて、タバコから別の商品作物への転換助成や支援などに取り組めば良かったのですが残念です。

マラウイクワチャ、対ドル152Kから167Kに切り下げ

 新聞やウェブサイトの為替レートは変わっていないのですが、マラウイ中央銀行は、今日、月曜日(08/08)から為替公定レートを切り下げたようです。ドル売りレートは、152クワチャから167クワチャと約10%と大きく切り下げられています。

 IMFはクワチャの切り下げを要求し、大統領は6/24にこの要求を拒否していましたが、外貨不足、燃料不足が改善されず、むしろ悪化しているため、切り下げに踏み切ったようです。闇レートはドル売りは190クワチャ前後で取引されていますので、実勢レートとはまだ開きがあり、ドル売りレートは180クワチャが適正ではないかと専門家は見ているようです。今回の切り下げによって、主要輸出品のタバコなどは輸出はしやすくなりますがタバコ市場価格の下落幅の方が大きいため厳しい状況は変わりません。ガソリン、肥料、薬、その他の生活用品の多くは輸入品ですので、物価の上昇が加速し、結果としては生活が厳しくなるため不満も高まりそうです。ガソリンが再度、10%程度の値上げもあるかも知れません。タバコから他の商品作物への転換を図っていかないと経済は大きく失速しそうです。

(追記) 08/09(火)の新聞に掲載された為替レートです。昨日(08/08)の9時に公定レートは変更されたそうです。l

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マラウイの国家統治に関する全国会議が 8/12に開催

 8/12(金)にマラウイの首都リロングウェのリロングウェホテルにて、市民と政治のスペースプラットフォーム(Civic and Political Space Platform)は、NGO協議会(CONGOMA)、人権諮問委員会(HRCC)と共催で、「マラウイの国家統治とステークホルダーの役割」という議題で、全国会議を開催するようです。会議への参加予定者名簿を見ると、

  • 宗教関係者
  • 市民団体
  • 教育関係者
  • 報道
  • 人権団体, 省庁
  • 政党
  • 伝統的酋長
  • 国会議員
  • ドナー・大使館
  • 銀行

など、118名がリストされています。

与党民主進歩党(DPP)からも総書記が出席するようです。ドナー、大使館関係者には西側の主要ドナー、国連開発計画や中国などの名前がありますが、英国や日本の大使館やJICAの名前はありません。この会議の議論の内容が、8/17に予定されている全国規模のデモの流れに大きな影響を与えそうです。また、問題はないはずですが、金曜日はリロングウェホテル周辺は念のため避けていた方が無難そうです。NGOは、7/20のデモ時の嘆願書に対しての回答を政府に強く求めています。与党側の足並みも少し乱れてきており、今週の政府側の動きは注視する必要がありそうです。

次は8/11にマラウイに関する番組

 次は、8/11(木)のテレビ東京「和風総本家」という番組が21:00-22:24にありますが、ここでマラウイが取り上げられる予定です。番組内容は、

『世界から見ると日本はどんな国なのか?アフリカ・マラウイのテレビ局が初めて制作する”日本の旅番組”の取材に密着「日本という名の惑星」』

だそうです。