最新

大統領辞職せずと表明、米国は改めてMCC通じての支援見合わせを表明

 2月後半から政府側は反政府勢力に対しての取り締まりを強化しており、情勢は極めて不安定となっています。3/15に宗教系市民団体の社会問題委員会(PAC)の会合に出席していた市民団体らが、大統領に対して、60日以内の辞職を要求しました。これに対して大統領は、先週の木曜日(3/22)に辞任の意思がなく任期まで務めることを表明しています。辞任させようとするなら、憲法を改正して三選可能あるいは終身制にすると、息巻いているようです。

 また、野党民主統一戦線(UDF)の大統領候補の一人である前大統領ムルジの息子が、リロングウェ郊外のエリア24の学校で日曜日(3/18)に集会を行おうとしたところ、警察に阻止され、警察と衝突しましたが、火曜日(3/20)に移動中の検問時に逮捕されています。彼は、土曜日の未明に保釈金を払って釈放されています。前大統領のムルジも土曜日に療養中の南アフリカから帰国し、現大統領を非難する声明を発表しています。そのほか、同じ土曜日に副大統領のジョイス・バンダ女史が率いる人民党が集会を行おうとしましたが、政府側に阻止されています。前大統領も副大統領ももともと大統領の仲間なんですよね。ホントに理解するのが難しいです。ムルジ前大統領は国民にムタリカ大統領を後任として選んだことを謝罪しています。

 さらに、米国は金曜日(3/23)に、すでに昨年の7月の全国規模の反政府デモにより織り込み済みなのですが、米国ミレニアム挑戦公社(MCC)を通じて拠出が予定されていた電力セクター向けの3億5000万ドル(約300億円)を見合わせていることを再度発表しています。今回再度発表しているのは、6月にリロングウェで予定されているアフリカ連合首脳会合にスーダンのアル・バシール大統領が出席する見通しのため、この動きを強く牽制したものだと見られます。スーダンのバシール大統領は、ダルフールの大量虐殺などで国際刑事裁判所(ICC)に告訴されています。マラウイは、昨年10月にも東南部アフリカ市場共同体(COMESA)首脳会合の際に、ICCから拘束要請が出ていたものの、同大統領の首脳会合への出席を受入、その後、拘束することなく出国させています。米国からすると警告を無視されている形になり、米国市民からの理解が得られず支援が難しい状況です。

というわけで、非常に慌ただしく緊張した状況が続いています。今週の水曜日(3/28)が市民団体と政府との対話期限であり、6月にリロングウェでアフリカ連合首脳会合の開催が予定されていますので、6月の首脳会合までがひとつの大きなヤマという気がします。