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IMF、クワチャ切り下げの圧力を強める

 昨年の12月に国際通貨基金(IMF)の代表団が来て、政府と外貨不足について議論したようですが、公定レート(1ドル=166MK)と闇市場レート(1ドル=230-250MK)との差が以前として大きいため、ドルなどの外貨が闇市場に流入するのを阻止するために、クワチャをさらに切り下げるよう昨年末より求めているようです。具体的には、1ドル250MK程度までの切り下げを考えているようです。

 マラウイは、昨年の8月にIMFの要求に応えて、それまでの1ドル=150MKから、1ドル=165MKと対ドルに対して約10%の切り下げを行いました。IMFはこのときから切り下げは不十分であるという認識でした。マラウイは昨年は外貨の主要獲得源であるタバコの歳入が前シーズンより3割ダウン、そして、統治や人権問題などでドナーが援助を凍結したことから外貨不足がより深刻になっています。特に現在はタバコ市場のオフシーズンなので外貨不足が深刻化しています。このため、外貨の引き出しや持ち出しが非常に厳しくなっています。

 燃料不足、薬不足などから、燃料価格を昨年は2度値上げし、それに伴い物価が高騰、燃料不足がより激しくなるなど、負のサイクルに入っており、経済危機ともいえる状況になってきています。政府側は、これ以上のクワチャの切り下げは物価のさらなる高騰を招くとして反対していますが、本質的には現在の輸入超過状態のアンバランスが問題なので、輸出を拡大出来るように国の体質を変えていかないとまずそうです。具体的にはタバコに変わる換金作物への転換などです。マクロで見れば、切り下げは輸出に有利なわけですから。

 マラウイのメディアなどが常に意識しているのがジンバブエですが、ジンバブエでは、公定レートと闇市場レートの価格が大きくかけ離れたことにより、通貨への信頼がなくなり経済が破綻しました。現状のマラウイはそうした状況ではないと思いますが、メディアなどでは常に「ジンバブエ化」といったことを気にしています。