最新

財務大臣、1,132人の架空年金受給者を削除

 先週の金曜日に財務大臣が国会で今年度の財政についての途中経過を報告しているようですが、その中で、1,132人の架空年金受給者を削除したことを報告しています。年間で1億1,300万クワチャ(約5,650万円)が不正に支給されていたようです。これは、支給方法を現金支払から口座振込にしたことにより、洗い出されたようで、同様に1万3,800人の架空公務員も削除し、年間36億クワチャ(約18億円)を削減したとしています。

 いつもながら、唖然するような規模なので、数字の見間違えではないかと思い、思わず電卓を叩いてしまいます。上記の数値から計算すると月当たりの平均年金受給額は、約50ドル、架空公務員の平均月給も約132ドルとなるので、数字は正しい感じです。公務員は17万人ですよ。1万人以上の架空公務員って・・・ 昨年、前財務大臣は5,000人の架空公務員が判明したことを発表し、実際には1万人以上がいるだろうと予測していたのですが、その通りの結果となっています。こうした情報が公表されているだけマシなのですが・・・ マラウイでは国家収入の2-3割が横領によって失われていると言われますが決して大袈裟ではないことがわかると思います。

 マラウイというと、最貧国の一つで国民の約4割が1日1ドル以下、そして国民の7割が1日2ドル以下で生活していることに目が行くのですが、問題の根っこは、残り3割の方です。私たちが直接干渉することが出来ないので、透明性を高めるための仕組みづくりを支援していく必要があると思います。そうしないとドナーからのお金は意図されない方向でドンドン無くなってしまいます。日本はいつも明確に言及していませんが、英国や米国などは自国民の税金をそういった国の支援に使うのはけしからんと言って支援を凍結しているわけです。

 マラウイの子供たちの写真を見せて、「マラウイはのんびりしていて素朴で良い国だ。」と言うのも結構ですが、表面だけ見ないで、もう一つ突っ込んで考えてほしいと思っています。そうしないと真の姿がいつになっても伝わりません。