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トウモロコシ不足になるのか?

国連の人道問題調整事務所の報道部門で、紛争や災害情報等を人道援助関係者に広く情報提供を行なっているIRIN(Integrated Regional Information Networks - 統合地域情報ネットワーク)は、2/9付で「マラウイ:上昇する価格と差し迫るトウモロコシ不足」(原文は英語)という記事を報じています。

 これは、今シーズンが例年にない不規則な雨の降り方になったため、一部の地域ですでに作物の作付が失敗しており、深南部では洪水の被害で農作物に大きな被害が出ています。今後もこうした不規則な降り方が続くのであれば、収穫に影響を与えるのではないかということを懸念するものです。ただ、楽観的な見通しでは、1月末の時点で全国的に雨がよく降っているので順調に収穫が出来るのでは、とも見られており、微妙な状況のようです。

 また、昨年の12月に政府は、今シーズントウモロコシが不作であった場合を想定し、トウモロコシの輸出を禁止しました。ただ、大半は輸出された後だったようです。また、同様に政府は、トウモロコシの売買を行なっているADMARC(Agricultural Development & Marketing Corp - 農業開発市場公社)を通じてのトウモロコシの価格を1キロあたり24セントから36セントに引上げています。これは、トウモロコシの再販を防止するのが目的とされていますが、実際には、この価格上昇がトウモロコシの物価上昇を引き起こしたとみられているようです。

この記事の中では、クワチャ切り下げについての国内外の圧力についても報じられていますが、ドルに対して公定レートが166MKですが、短期金融市場のレートでは270-300MKとなっているとのことです。以前よりさらに下落している感じです。昨年末ぐらいは、250MK前後でした。マラウイは直近では2005/06にかけて洪水と干魃の被害で農作物が壊滅的な被害を受け食糧危機が発生しています。その後、ムタリカ大統領が肥料助成金政策を導入し、この政策が功を奏して豊作が続き、マラウイは近隣諸国へトウモロコシを輸出出来るまでになっていました。ただ、昨今の気候変動や土壌の疲弊、人口増加など食糧に関する課題は山積みの状態であることには変わりません。