マラウイ、通貨再切り下げへの懸念

 マラウイは今年の8月に国際通貨基金(IMF)からの強い要請を受けて、8月に対ドルに対して10%のクワチャの切り下げを実施しました。これにより、クワチャはドルに対して、それまでの約150MKから約165MKとなっています。一方、経済危機が叫ばれる中、市場でのクワチャの価値は下落しており、実質的な取引レート240-250クワチャとなっているとのことです。実際、市内中心部のメトロ前には闇両替の人が常にたむろしていて声をかけてきますが、1ドル200MKですると言ってます。

 こうした状況を受けて、昨日の火曜日(11/22)にマラウイ準備銀行総裁が民間ラジオ局のインタビューに応じてクワチャのさらなる切り下げの可能性を示唆しています。来月の初めにIMFのチームと対策を協議するようで、早ければ年内にも再度切り下げが実施されるかも知れません。

多分切り下げをしないと、マラウイ経済は持たない気がします。単に市場レートと公定レートの格差が大きいだけではなく、エネルギー大臣は先日、燃料不足問題の解決策の一つとして検討していることに、外貨不足から燃料不足を引き起こしていることの方策としてドル建ての取引ではなくクワチャ建ての取引を検討しているようです。ただ、もしクワチャ建てだとすると、今のように実際の価値により非常に割高となっている公定レートで取引をしてくれるはずがなく、必然的に公定レートの見直しが必要になります。公定レートはやはりドルに対して200-250MKといったあたりまで切り下げられる可能性が高いと思います。ただ、そうすると物価が加速度的に上昇することになるため、非常に判断が難しいと思います。生活必需品の値上げが続いているので、市民の間に不満が高まってきていて、来月のクリスマス休暇が近づいていることも心理的に不満を高める要因になっている気がします。