高等裁判所、9月21日デモの禁止命令

 いまだ政府と反政府側の人権団体らとの交渉の様子は見えていないのですが、その一方で、9月21日の反政府デモを警戒して、水面下ですでに攻防が始まっているようです。ブランタイアで医学部の博士が、9月21日の抗議デモは、平和と安全を保障する措置を講じておらず、こうした抗議活動は違憲であるとして提訴していたようで、これに対して、裁判所はその訴えを認めて抗議活動を禁ずる禁止命令を出したようです。

(追記)この禁止令の前に二人の市民による別の禁止令もあるようです。最初の禁止令は、平和と安全に対する措置が講じられるまでは、デモの中止を求めるものでした。たぶん、最初の訴訟の方は、違憲かどうかまでは踏み込んでいないようです。

今後、おそらくデモ主催者側は禁止命令の無効を求めて、提訴すると思われます。途上国なのに不思議な気がしますが、英国の影響なのか裁判慣れしており、すぐに提訴します。デモ主催者側は合法的に抗議活動をしようとしているようです。7月20日のデモの際は、デモ前日に裁判所のデモ禁止命令が出たため、デモは中止することが出来ず、実施されました。警察も、名目上はこの禁止令をよりどころとし、違法行為であるとして排除しています。7月20日のデモのときは、午後になって、提訴した弁護士の資格が有効期限切れで無資格だったことが発覚し、禁止命令が無効とされ、デモ活動が強まりました。

 予定されていた8月17日のデモの際は、事前にデモの中止の禁止命令が裁判所から同様に出ており、デモの延期の背景の一つとなっていました。今回もデモが実施される場合は、事前に裁判所の中止命令があるかどうかが、デモの正当性の一つポイントとなっています。