マドンナ女学校プロジェクトが頓挫?マラウイ政府調査へ

 マドンナはマラウイの首都リロングウェ郊外にレイジング・マラウイ女学校(Raising Malawi Academy for Girls)を設立するとしていましたが、01/11付でウェブサイト(http://www.raisingmalawi.org/)に、また、01/13付の昨日の新聞上で声明を発表し、戦略の見直しについて述べています。具体的には、レイジング・マラウイ女学校では、500人の女学生しか受入れ出来ず十分でないため、数百名規模ではなく数千名規模の支援が出来る戦略に変更していきたいというものですが、これは事実上、レイジング・マラウイ女学校の建設が頓挫したと見られるため、政府のこのプロジェクトの状況について調査を行うようです。

 レイジング・マラウイ女学校は、リロングウェ市内から空港に行く途中15キロほどのところにあるLumbadzi地区近くのChinkhota村に建設が予定されており、今年(2011)の12月に完成し、500人の女学生を受け入れる計画でしたが、昨年から第2期の建設が全く行われておらず中断しているとのことです。

マドンナは最貧国でありHIV/AIDSやマラリアなどで苦しむマラウイの現状を知り、2006年にマラウイの孤児の食生活、教育、医療をサポートするNGO団体「レイジング・マラウイ(Raiging Malawi)」を設立してマラウイで活動を行なっており、この中の活動の一つとして、次世代リーダーとなる女性を育成するためにレイジング・マラウイ女学校を設立し、マラウイ内外から約500名の女子生徒を受入れて、2012年に開校する予定でした。マドンナは、2009/10の着工式、昨年の4/7に定礎式にそれぞれマラウイを訪問しています。

女学校建設にあたっては、用地の借用(99年間)をめぐって地元住民200人ともめて、マドンナ側が50万ドル(約4700万円)の補償金を支払い、政府が住民を強制退去させたりしています。

また、マドンナには二人のマラウイ人の養子がいます。2006年にマラウイ人のディビット・バンダくん(当時1才)を養子にしており、2009年にもマーシー・ジェームスちゃん(当時4才)の少女を養子にしています。マラウイの国内法では、養子縁組を行うには、18ヶ月以上のマラウイ在住が必要ですが、いずれもこの条件を満たしておらず例外として認められています。特に2009年には一度却下されたのを不服とし、上訴して高等裁判所が認めています。いずれのケースも人権団体から非難の声をが出ていたようです。