燃料危機が再燃するのか?

 昨年(2009)、マラウイでは11月初めより、ディーゼル、ガソリン、パラフィンなどの燃料が入手困難になり、ガソリンスタンドに長蛇の列が出来、公共交通手段の運行中止という事態が発生しています。この時は、外貨不足、モザンビーク側のザンベジ川に架かるテテ橋の通行制限などによるものとされていました。

 私が赴任した3月下旬以降は、比較的安定して燃料供給されていますが、それでも6月やこの9月に入って、リロングウェ市内でもガソリンスタンドに長蛇の列が見られることがあり、今後が不安です。実は、昨日カスングに住んでいる日本人の方からカスングでは、ガソリン等の燃料が欠乏し入手が困難な状態になっているという情報をもらい、リロングウェ側の状況を確認されました。

 新聞などでも9月に入ってから燃料危機に関する記事が何度か掲載されています。これらを総合すると、政府側は、モザンビークのザンベジ川の架かるテテ橋の通行制限による輸送の滞りが原因としていますが、マラウイの経済界では、輸入燃料代金の決済に必要な外貨不足を指摘しています。また、噂が先行し、市民が買い貯めるため、燃料欠乏が加速している側面もあり、それによる価格の吊り上げといった悪循環が一部に見られているようです。

 モザンビーク側は、こうしたマラウイ政府の見解に対して抗議をしているようです。モザンビーク側ではテテ橋などの改修工事が進んでいるのは事実ですが、この工事自体は、長期的に行われているもので、それに起因して燃料危機がスポット的に発生するのはおかしいとしています。

 いずれにせよ、マラウイでは国際輸送の90%以上を道路交通に依存していますので、これから雨季が始まるとザンベジ川のテテ橋の通行制限が発生する可能性があるのも事実で、燃料危機が再燃する可能性は排除できません。