日本とマラウイの電力使用量

 東日本大震災による地震、津波による原発の事故により、電力供給不足に陥り、東京電力管内は計画停電を行なっています。東京電力管内の供給能力は、3,800万キロワットとなっています。マラウイ国内の供給能力は、およそ280メガワットとのことですので、キロワットに換算すると、28万キロワットとなります。日本の東京電力管内だけで約135倍もの電力を消費していることがわかると思います。マラウイの人口は約1,500万人、平均世帯電化率は約8%程度となっています。南部アフリカの平均世帯電化率は約20%、マラウイは都市部は約20%で、人口の8割が生活する地方の電化率は1%未満となっており非常に格差があります。

 昨日、タイが東京電力の要請に基づいて、ガスタービン発電施設(三菱重工業製)2基を貸与することになったのですが、1基が12万2000キロワット、で2基で24万4,000キロワットの発電能力で東京電力管内の供給能力の0.6%を補うことが出来るようになります。仮にマラウイにあったら、28万キロワットに対して、24.4万キロワットですから、87%とほとんど補うことが出来る供給量です。

 アフリカはマラウイに限らず、電力基盤が弱く、いざ工場などを誘致しようと思っても、電力が足りなくて頓挫してしまうという話を聞きます。マラウイでは安い労働力は確保出来るはずですが、工場を誘致しようとすると電力が問題となります。先日もディーゼル燃料が欠乏したら北部のウランの採掘工場も運転が出来なくなったとのことで頭が痛い話です。この採掘工場、電力が確保出来ないからディーゼルによる自家発電をしていたはずですので。

 こうした結果、輸入依存体質から脱却出来ないことになります。また、マラウイの場合は、電力設備が老朽化しており、発電能力だけ増強しても、送電能力がないため、電力を今のままだと送ることが出来ないそうです。ですので、早くガバナンスの問題を払拭して、米国ミレニアム挑戦公社からの電力供給改善のための約300億円の支援を受けることが出来るようにすべきではないかと思います。