クラビ旅行記

■ 旅行計画

今回の旅行が決まったのが1月の中旬、「ABROAD」の2月号を見てのこと。妻が昨年から熱望していたクラビへのツアーがあったのでした。(すでにツアーが決定する前から、なぜか「地球の歩き方」のクラビの部分が折られてました。)

プーケットにはすでに個人手配旅行で旅行したことのある私たちでしたが、クラビはプーケット空港からでもおよそ160キロぐらいあります。したがって、空港からタクシーというのも現実的に難しく、また短期間の旅行ではある程度効率的に移動する必要があるので、このパッケージツアーは、まさに希望通りのものでした。

ツアーはHISの「クラビ&プーケット島 6日間」で日程は以下の通り。ツアー代金は13万4500円。

1998 都市名 時間 交通期間 スケジュール 食事
2/18 東京(成田)発
バンコク着
バンコク発
プーケット着
10:30
15:30
17:00
18:20
TG641

TG641
バンコク乗り継ぎ


(プーケット泊)ダイヤモンドクリフ
 
2/19 プーケット発
クラビ着
09:00
12:00
自動車
(クラビ泊)クラビメリタイム
2/20 クラビ     終日フリー
(クラビ泊)クラビメリタイム
2/21 クラビ     終日フリー
(クラビ泊)クラビメリタイム
2/22 クラビ発
プーケット着
13:00
16:00
自動車
(プーケット泊)ダイヤモンドクリフ
2/23 プーケット発
バンコク着
バンコク発
東京(成田)着
08:00
09:25
11:20
19:00
TG640

TG640
バンコク乗り継ぎ

 

このツアーのポイントは、TG641とTG640という、プーケットに行くのにもっともベストなフライトを使えるということ。そして、ホテルがプーケットがダイヤモンドクリフ、クラビがメリタイムホテルと、どちらも5つ星クラスのホテルを利用できることです。 そのほか、もちろんこれは後で確認できたことですが、パッケージツアーによくあるお土産店まわりが一切なかったため、時間は大変効率的に使うことができました。 好条件のツアー内容なので、妻の両親もツアーに参加することになりました。

■ 第1日め(98/02/18)

初日は移動時間がほとんどです。ダイヤモンドクリフに着き、チェックイン手続きをすませて部屋に入ると、すでに時計は午後8時をまわっていました。部屋で軽く一息入れてから、パトンビーチ沿いまで夕食に行くことになりました。 ダイヤモンドクリフはバトンビーチの一番端(北端)にあるため、パトンビーチの中心までは、約1.5キロあります。タクシー(トゥクトトゥク)をホテルで呼んでもらい、バトンビーチの中心(郵便局前)まで行ってもらいました。料金は一人20Bです。 ビーチ沿いの道には、海鮮料理レストランを中心に軒をつらねており、どこがいいのか迷います。数件見たのち、サファリビーチホテル内にあるサヴォイ・シーフードレストラン(Savoey Seafood Restaurant)に入ることにしました。店先に並ぶ、エビやイカ、魚などを選んで調理方法を指定するとシェフが調理して運んできてくれます。トムヤムクン、エビの春雨蒸し、マナガツオの甘酢あんかけなどを注文しました。味はどれもとてもおいしい。特にトムヤムクンは絶品。そして、シンハービールもうまい。 食後は、ビーチ沿いの露店の土産品を見学してからホテルに戻りました。

■ 第2日め(98/02/19)

この日は、午前中はパトンビーチからクラビへの移動です。約200キロの移動ですが、道の状態は大変良く快適です。プーケット島から本土へのサラシン橋を渡ると、クラビの独特の荒々しい岩山が道路沿いのゴムの木の林の後ろに見えてきます。車は、前方の車を次々と猛スピードで追い越していき、はっきり言って恐いです。

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このサラシン橋を渡るとクラビ県 昼にはクラビ・メリタイムホテルに到着しました。メリタイムホテルはクラビ川沿いにある大変きれいなホテルです。チェックインを済ませると、まずは昼食。ちょうど欧米人の団体が入っているようでビュッフェ形式の昼食となりました。 食事を済ませ、さてこれからどうするか? 最初、とりあえずアオナン・ビーチ行ってみようと妻と話していましたが、ツアーデスクに、その手前にあるスサノイ(7500万年前の貝の化石群)にも行ってみたい、と言ったら半日観光を薦められ、これを利用することにしました。一人500Bで、四人で2000Bです。 また、翌日はシュノーケリングのできるアオナンビーチからボートで20分ぐらいのところにあるチキンアイランドに行く1日ツアーに参加することにしました。一人700Bです。 予約を済ませたので、早速半日観光です。

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最初に行ったのがタムスア寺(タイガーケーブ)です。タムスアは日本語に訳すと虎洞窟寺で、その昔虎が洞窟にいたとか。岩山の絶壁を利用したお寺で、寺の入り口には猿がいます。絶壁沿いの山道を少し歩いていくと、仏像が見えてきました。この仏像のところに来たところでスコール。乾季のこの時期のスコールは珍しく、ガイドに聞いても雨は久しぶりとのこと。この仏像のあるところは、絶壁の下が大きくえぐれたような形になっており、濡れることはありません。雨が一段落したところで、この先の洞窟を見学しました。 この寺の入り口から、この絶壁の上に行く階段があります。(階段は約1300段だそうです。)今回は時間も無いので登らなかったのですが、下から欧米人の女性が降りてくるのが見えましたが、階段はかなり急です。

次に見学したところが、スサノイです。 スサノイは、7500万年前の貝の化石群があるところです。一見ただの平岩のあるどこにでもある海岸ですが、よく見ると小さい貝が無数に詰まっています。ガイドが何度も「これはセメントではないよ。貝だよ。」と言ってました。学術的価値は極めて高いそうですが、看板が一つあるだけで、特に管理しているようにも見えません。 海岸から丘の上に戻る途中に貝細工の土産物店が数店あります。イスラム教のタイ人女性が売っていました。 そして、次がアオナンビーチ。 クラビの最もポピュラーなビーチです。欧米人がビーチでくつろいでいました。日本人の姿は見かけませんでした。東端の絶壁と砂浜、エメラルドグリーンの海が織り成す景観がここならではのものだな、と思いながら浜辺を散歩。この浜は小さい貝殻が多く、地元のタイ人のおばさんが拾ってました。貝細工の工芸品に使うのかも知れません。海はあまり透明度が高くなく、やはり沖にある島に行ったほうがいいな、と思ったのでした。

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アオナンビーチ

アオナンビーチから西に車で5分ほど行ったところはノパラットターラービーチです。着いたときには、午後4時すぎでしたが、観光客はほとんどおらず、大変静かで素朴なビーチでした。近郊のタイ人が遊びにきそうなビーチです。時間に余裕があれば、こういうビーチで一日のんびり過ごしたいところです。

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ノパラットターラービーチ

最後にクラビタウンに寄ってもらいました。本来、ここで30分とか時間を決めて待ってもらうのですが、せっかくだからゆっくり見学して帰りたいので、自分たちでホテルにはタクシーで戻ることにし、ここで降ろしてもらうことにしました。(ホテルまでは1キロほど)ガイドは心配で待つと行ってくれたのですが、交渉は成立し、半日観光はここまで。 クラビタウンはとても小さい町で、一回りしても20分もかかりません。クラビ川沿いのウタラキット通りがメインストリートです。とりあえず、この通りと並行に走るマハラート通りにある VOGUEデパートに行くことにしました。デパートといっても日本のような大規模ではなく、3F建てで日本のダイエーとか西友のほうがイメージとして近いです。ここで夏物のカジュアルシャツや貝細工を購入し、その後、町を一回り。川沿いの遊歩道はよく整備されていて歩きやすいです。夕方、クラビ川沿いを散歩し、夜は川沿いの屋台で夕食というのも悪くないのですが、今回は妻の両親も一緒なので、ホテルに戻り食事をすることにしました。

■ 第3日め(98/02/20)

この日は、前日に予約を入れておいたチキンアイランドへの1日ツアーです。

午前9時にホテルを出発し、車でアオナンビーチまで約20分。それから、ボートに乗り換えてチキンアイランドに向かいます。ボートはチキンアイランドの西側の絶壁の一角で停泊しました。シュノーケリングポイントです。すでに欧米人の観光客を乗せたボートが数隻停泊しシュノーケリングを楽しんでいます。海の透明度は高く、水中マスクをしなくとも、海中の魚たちがボートの上から見えます。慌てて、ライフジャケットをつけ、水中マスク、シュノーケルをつけて海にドボン。あとは時を忘れて、魚と珊瑚礁の世界へ。

約1時間後、ボートに戻り、ボートは西側から東側にまわり込みます。このとき、南方を見ると巨大なチキン像を見ることができます。自然がつくった偶然とはいえ、見事です。

ボートは島の東側の小さな小さな島に停泊しました。この島名はあとからわかったのですがタップ島です。この島とチキンアイランドは白い砂浜でつながっており、その砂浜はとても眩しい。砂浜の両側の浅瀬は珊瑚礁で覆われており、とても美しいところです。ただ、この日は、ここにいたのは20分程度。もっとゆっくりしたいと思いながら、隣の島、ポダ島に移動です。

ポダ島では、あらかじめタイ人ガイドが用意した昼食を食べました。焼き魚とタイカレーをヤシの木陰のゴザの上で食べます。タイカレーの辛さが食欲をそそりご飯をおかわりしてパクつきました。昼食後、1時間ほど時間があるのでビーチでシュノーケリングを開始。砂浜のビーチだから魚がいないなぁ、と思いながら水中を散策していると、船着き場の近くの砂浜に魚のいること、いること。欧米人の観光客が持参したパンを海中に落とすと、ものすごい数の魚が集まること、集まること。すごいです。結局、時間のほとんどをこの場所でシュノーケリングしていました。ちょうど、この場所は珊瑚礁と砂浜の境目で魚が多いようです。

午後1時半すぎ、ポダ島を後にすると、ボートはプラナン岬に向かいます。ボードはプラナンビーチに停泊すると、絶壁の間の小道をガイドが歩いていきます。小道の入り口でガイドが指を指すほうをみると、そこにいたのは猿でした。小道を、石灰質の鍾乳洞のような形状をもつ特異な絶壁を右手に見ながら歩いていきます。ちなみに左手側に見えるのは、ドゥシットラヤバティリゾートです。小道を抜けると、反対側のライレイビーチ側に出ることができます。出てすぐ右手がロッククライミングポイントになっており、欧米人が男女問わず楽しんでいました。見ているほうが恐いです。

ロッククライミングポイントを見学し、もとの小道を戻ります。ビーチまで戻り、ビーチの東端にあるプラナン洞窟を訪れます。説明を読むと洞窟にある祠に漁師が漁に行く前にお祈りしてから出るとか。 こうして、アオナンビーチに戻り、1日ツアーを終わったのでした。あぁ、楽しかった。 ホテルに戻り、再び明日のスケジュールをコーヒーを飲みながら考えます。候補に上がったのは、次のようなところです。 ・ ピーピー島一日観光 ・ シーカヌーツアー ・ ホング島ツアー ・ 温泉・ジャングルツアー ピピ島は実は昨年妻といっており、また一日ツアーではほとんどゆっくりできないのでパス。シーカヌーツアーは、暑いと思われるのでパス。ホング島はボートで2時間ぐらいのところにあるらしいのですが、「行きたい」と希望を出したものの船の都合がつかずNG(1万バーツ出せば高速モータボートをチャーターできるといわれたのですが...)そして、温泉・ジャングルツアーは、やはり海に行きたいということでパス。 というわけで、結局どうしたというと、ボートをチャーターし、今日いったチキンアイランドとタップ島の砂浜に午前中行き、午後は、ポダ島に移動してゆっくり過ごすことにしました。ボートのチャーター代は、一日1500Bです。

■ 第4日め(98/02/21)

この日は、午前9時に車でクラビタウンまで移動。クラビタウンの桟橋からボートに乗り換え、チキンアイランドに向かいます。昨日はアオナンビーチまで車で移動してからボードだったのですが、今日は、クラビ川を下りながらなので昨日とまた一味ちがった景観を楽しむことができます。 海からクラビを一望 一昨日、半日観光で見たスサノイ(貝の化石群)が右手に見えます。前方にはポダ島とチキンアイランドが見えてきます。昨日は、アオナンビーチからなのでポダ島の背後にかくれて位置関係がわかりにくかったポダ島とチキンアイランドが今日はよくわかります。

ボートはおよそ40分ぐらいで、昨日訪れたタップ島の船着き場に到着。荷物を降ろし、パラソルと椅子を借ります。パラソルと椅子2脚で100Bはちょっと高いなぁ、と思いながらも素直に払い2セット借ります。早々に荷物を置くとシュノーケリング道具をもって浅瀬の海へ。魚は思ったとおりいっぱいいます。ポダ島と比べて種類が多いです。浅瀬なので子供でも安心。このビーチには、家族づれの欧米人が多いです。(ちなみにトップレスの欧米人も多いです。)

fish-27_edited-1浅瀬は珊瑚礁

お昼になったので、隣のポダ島に移動します。ポダ島には、1件だけレストランがあります。ここで昼食をまずとります。チャーハンなど一品 60, 70~100B程度で、良心的な値段です。私はチャーハン、他はパッタイ(タイ風焼きそば)を注文。どちらもおいかったのですが、妻の母は、甘いパッタイに閉口してました。説明し忘れた私が悪かったです。すいません。

その後、昨日魚がいっぱいいた船着き場近くのビーチへ。今日もたくさん魚がいます。あらかじめ昨日コンビニで仕入れておいた食パンを海に投げると魚が集まる、集まる。ものすごい数です。この魚たち記念写真ととり、シュノケーリングを楽しみます。ここの魚は慣れていて、手を握っているだけ餌をもっていると魚が勘違いして集まってきます。? ポダ島の魚 欧米人観光客の子供たちが、きゃあ、きゃあ言いながら、魚と戯れ、おじいさんは、温泉のように海につかっています。昨日も今日も日本人観光客は見あたりませんでした。ちなみに今回の旅行で私たちが見かけた日本人グループは3組です。(ホテルで2組、アオナンビーチで1組) 十分堪能して、午後3時にポダ島を出発、行きはクラビタウンの桟橋からボートに乗ったのですが、帰りは、満ち潮になりクラビ川の水位が高くなるため、メリタイムホテルまでボートで行くことができます。クラビタウンからメリタイムホテルまでの川沿い、右手側はマングローブの生い茂る林でぎっしりです。右手だけ見ているとジャングルの中にいるような錯覚をおこします。これだけでも十分ジャングルツアーの気分が味わえた感じ。

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TREE-10_edited-1クラビ川の東側にはマングローブ林が広がる

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■ 第5日め(98/02/22)

この日は、午後1時にクラビを出発するため、午前中はホテルでのんびりします。ホテルの中心にある池のまわりを妻と散歩してました。メリタイムホテル 午後1時に、ホテルを出発、プーケットダイヤモンドクリフホテルに戻ります。

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午後4時すぎ、一息入れてから、バトンビーチの中心に新しくできたオーシャンプラザにとりあえず行ってみます。古いオーシャンプラザはビーチの南端にあり立地条件があまりよくなかったのですが、こちらは中心にあって便利です。1階の奥の方に1坪ほどの小さな土産物店が数件あり、Tシャツやお菓子を購入します。そして、地下のスーパーでタイのお菓子を買い込みます。結構スーパーで買ったつもりだったのですが97B。安いです。

パトンビーチのビーチ沿い バトンビーチで、夕日を眺めた後、この日も夕食はパトンビーチ沿いのレストランで食事しました。

この日は本当はここで終わりなのですが、ホテルに戻って実は妻と二人で再びビーチの中心に散歩に行きました。クリフからビーチの中心までは、1.5キロぐらいあるのですが、夜になるとさすがに涼しいので、特に苦なく歩けます。クリフを出てビーチ沿いの7,800mは歩道が整備されているので快適です。 バトンビーチは夜になると別世界です。夕方、行ったオーシャンプラザはもう午後10時近いというのには夕方とは比べものにならならい賑わいです。ナイトバーはもの凄い熱気です。店によっては人は通りまで溢れています。卒業旅行できたらしい日本人の若い男の子もあまりの熱気におもわずたじろいてました。

私たちも明日が早いので一回りしてホテルに戻りました。

■ 第6日め(98/02/23)

楽しかった旅行も終わりです。今日は帰るだけです。午前8時にフライトのため、午前6時にはホテルを出発しなければなりませんが、さすがはダイヤモンドクリフ、サービスで朝食を指定された時間にルームサービスしてくれます。

午前6時半すぎにプーケット空港に到着。あとはバンコク経由で一路日本に帰るだけです。バンコクでの乗り継ぎでは1時間半ほど時間があるため、お土産の定番チョコレートを購入しました。暑いタイでチョコレートを買うのはこのタイミングがベストです。

成田には定刻より15分早い午後6時45分に到着。楽しかったタイ・クラビ旅行もここで終わりです。

(1998/02)